2022年3月11日 05時00分
93センチ、重さ9キロのブリを手に満面笑みの筆者
砂浜に立つと潮風と海の香りが気持ちよい。鹿児島県・薩摩半島の東シナ海側にある吹上浜は冬から春のブリ狙いが人気で、3月を迎えた現在も好調に釣れ続けている。よく釣れた一昨年のように大きなナブラが発生するが、今年はカタクチイワシのサイズがまばらで攻略が少し難しい。吹上浜は遠浅サーフゆえ、ナブラ撃ちで扱いやすいルアー選びやカタクチイワシの多いエリアを見極めるポイント選びが重要になる。今年の傾向を含めて紹介したい。 (釣りライター・河野剛志)
【吹上浜の状況と準備したいルアー】
春に近づくほどブリの餌となるカタクチイワシは大きくなり、餌を偏食しなくなるので、ルアーを選ばず釣りやすい傾向になるのが昨年までのパターン。しかし、今年の吹上浜は5〜10センチほどのカタクチが混在し、ブリはたくさんいるがルアーを見切られやすい少し難しい状況が続いている。小さいイワシが多いほど大きなルアーや早巻きには反応しなくなる。状況に合わせたルアーの使い方が必要となる。
今年も大規模ナブラが増え、手軽に釣れるようになってきたが、ルアーは何でも釣れるというわけではない。
(1)向かい風でも沖のナブラまで届く飛距離が出ること
(2)ゆっくり巻いても大きく泳いでアピールできること
(3)巻くのをやめると水平フォールして弱った小魚のようにヒラヒラ落ちること
(4)水深が1〜2メートルなのでゆっくり沈む30グラム前後であること
(5)水質がクリアなのでカラーはUVカタクチイワシやUVクリアなど見切られにくいもの
これらの条件を満たしたルアーに釣果が集中している。ブリのナブラ撃ちは全国でもこの吹上浜だけといってもいいほど有名な釣りだが、この釣り用に開発されたガンガンサーフ、ヒラペンは渋い時も安定した釣果が出ており、連日多くのアングラーから釣果報告が聞かれる。私が3年ほどかけて開発したこのルアーが活躍してくれるのはうれしい限りだ。
【ブリのナブラが起こる兆候は?】
吹上浜は九州各地から片道2時間以上かけて遠征し、大物を仕留めて喜ぶ人がいる一方、タイミングが合わずナブラさえ見られず帰る人も多いのが現状だ。何度も通えば傾向を見つけることもできるが、毎週通っている私でさえ予測しにくい状況もある。
釣果に一番影響を及ぼすのが強い北西風で、風速3メートル以上が続くと濁りが入ってベイトが沖に出てしまう。風が吹いていてもベイトが多ければブリの回遊はあるが、風が弱くなる朝や夕方にチャンスが1回あるかないかというシビアな状況となる。
確実にナブラが発生しそうな日を選ぶとしたら、風が収まったナギの日がよい。ナギの日が続けば続くほど、ベイトはどんどん接岸するのでさらに釣果は望める。天気と風の強さを事前にチェックしておきたい。
その上で一番悩むのが釣り場選び。47キロに及ぶ広大な砂浜のどこに現れるか分からないブリ。ナブラが起こる朝夕や満潮前後の前にナブラが起こりそうな場所で待ち伏せするのが、この釣りのキモとなる。
ナブラは突然現れて数分で消えてしまう。目の前で起これば大物をキャッチできるが、日時や場所を間違えば何も釣れないといったギャンブル的要素もある。
事前にカタクチの多い所を見つけておけば、その確率を高めることができる。カタクチの多い時は高台から黒い帯状になっている群れを見つけることができるが、ほとんどの場合は目視できるほど多くない。点在する小河川の河口近くにある深みなど小魚が集まりやすい場所にイワシが打ち上げられていないかをチェックするのがいい。
今年もカタクチの接岸はよく、80センチ〜1メートルのブリが連日釣れている。ブリは3月中旬ごろまでがベストシーズン、ブリが少なくなったら座布団ビラメが狙える。吹上浜のサーフゲームはこれから暖かくなっても釣れるので、大物狙いで足を運んでみてはいかが。
【筆者のタックル】
ロッド テイルウォーク/サーフラットSSD98 M
リール テイルウォーク/スピーキー3000HGX
ライン シーガー/PEX8ルアーエディション 1.2号
リーダー シーガー/プレミアムマックス6号
ルアー オーシャンルーラー/ガンガンサーフヒ ラペン95S
▼アクセス 釣り場は鹿児島県日置市永吉川周辺。鹿児島空港から九州自動車道で約1時間。
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