〈台風6号〉住家被害8市町村の32棟 屋久島では港に流木、高速船運航に支障

土砂や巨木が流れ込んだ田んぼを見つめる住民=10日午後5時半すぎ、肝付町後田の岩屋地区

 土砂や巨木が流れ込んだ田んぼを見つめる住民=10日午後5時半すぎ、肝付町後田の岩屋地区

 台風6号は10日、対馬海峡を北上し朝鮮半島に抜けた。7月30日を最後に欠航していた奄美航路は11日ぶりに再開した。長時間の記録的な大雨で鹿児島県内では土砂災害が相次いだ。肝付町では5世帯9人が一時孤立したほか、土砂が流れ込み田んぼなどに被害が及んだ。
 奄美航路3社は順次、定期便を再開するほか、13日にかけて臨時便も予定する。
 肝付町岸良の大浦集落では集落入り口の町道を倒木や落石がふさぎ、正午過ぎまで5世帯9人が孤立状態となった。
 同町後田の岩屋地区を流れる岩屋川の支流では山が崩れ、田んぼに土砂や巨木が流れ込んだ。町は10日朝、約4000平方メートルの田んぼに被害を確認。現場の下流約500メートルには約50人が暮らす集落があるため、町は同日夕、住民や永野和行町長をはじめ行政関係者ら約30人が集まる緊急説明会を開いた。
 屋久島町の宮之浦港では港内に流木が入り込み、高速船の運航に支障をきたしている。午前の2便と午後の臨時便は出航したが、夕方2便は安全確保のため同町の安房港に振り替えた。
 県によると、10日午後3時半現在、住家被害は8市町村の計32棟に上っている。内訳は一部破損が6棟、床上浸水4棟、床下浸水22棟。けが人は重傷者2人を含む計7人。
 同日午後5時現在、県管理道路6カ所で全面通行止め、3カ所で片側通行となっている。9日午前から屋久島町内の一部で続いていた断水は10日午後4時までに解消された。
 県内では午後10時現在、約260戸が停電している。
 JR九州によると、在来線の一部は終日運転を見合わせた。鹿児島市電は正午に運転を再開した。

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