徳之島で日米上陸訓練 南西諸島で初、離島奪還を想定 1キロの砂浜に見物者が列…歓声と抗議

着上陸した水陸両用装甲車(AAV7)=18日、徳之島町の万田海岸

着上陸した水陸両用装甲車(AAV7)=18日、徳之島町の万田海岸

着上陸した水陸両用装甲車と同車両から展開した隊員を見に来た島民ら。部隊が目の前まで迫る演出も=18日、徳之島町の万田海岸

着上陸した水陸両用装甲車と同車両から展開した隊員を見に来た島民ら。部隊が目の前まで迫る演出も=18日、徳之島町の万田海岸

着上陸し展開する隊員=18日、徳之島町の万田海岸

着上陸し展開する隊員=18日、徳之島町の万田海岸

自衛隊と米軍は18日、南西諸島で初となる日米のオスプレイを使った水陸両用訓練の一部を鹿児島県・徳之島で公開した。日米共同統合演習「キーン・ソード」の一環。侵攻された離島に海と空から突入し奪還する想定で、島内2カ所に部隊が続々と展開した。中国を念頭にした「有事」を想定するだけに周辺は物々しい雰囲気に包まれ、部隊への期待と不安の声が入り交じった。
午前10時、島南部の伊仙町総合グラウンドに米海兵隊輸送機オスプレイが着陸。ごう音と砂ぼこりの中、小銃を持った十数人の米兵が機体後方から飛び出し、作戦の流れを確認した。
午後1時には島北東部の万田海岸に陸自の離島防衛専門部隊・水陸機動団約200人が次々に上陸した。偵察用ゴムボート10隻に続き、水陸両用車「AAV7」14両が砂浜を駆け上った。ホーバークラフト型揚陸艇「LCAC」も水しぶきを上げて続いた。
海岸沖には、部隊を運んだ海自の輸送艦2隻と作戦を指揮する最大規模の護衛艦「いずも」、米海軍の揚陸艦1隻が停泊。米オスプレイは揚陸艦で離着陸訓練を繰り返した。日米のオスプレイは16~18日にかけて徳之島に4回離着陸した。
機動団長の梨木信吾陸将補は「これだけの規模の訓練はなかなかできない。さまざまな地形で訓練が必要で、地元の協力に感謝でいっぱいだ。対処力向上につなげていく」と話した。
海岸での訓練は一般にも公開され、約1キロの砂浜は見物者が列をなした。部隊が目の前まで迫る演出もあり、歓声が飛び交う一幕もあった。反対派はのぼりを掲げて抗議した。
徳之島町金見の太良照和さん(73)は「島の近くを中国船が行き来している。これぐらいしないと抑止にならない」。飲食店の女性(42)は「何をしているのかよく分からない。不気味で怖さを感じてしまう」と話した。

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