「一命にかけ」…江戸城総攻撃の直前、徳川家を守った篤姫の書状 鹿児島で初公開 黎明館40周年記念「至宝展」

華麗な薩摩焼など貴重資料が並ぶ会場=2日、鹿児島市の黎明館

 華麗な薩摩焼など貴重資料が並ぶ会場=2日、鹿児島市の黎明館

(関連)天璋院篤姫の書状に見入る来場者=2日、鹿児島市の黎明館

 (関連)天璋院篤姫の書状に見入る来場者=2日、鹿児島市の黎明館

 黎明館開館40周年記念展「黎明館の至宝」が2日、鹿児島市の同館で始まった。天璋院篤姫が西郷隆盛に徳川家存続を「一命にかけ」と嘆願した書状が初公開されるほか、国宝の太刀「国宗」や重要文化財のかぶと、華麗な薩摩焼など、18万点超の収蔵品から厳選した約100点を展示する。25日まで。
 篤姫の書状は、江戸城総攻撃の直前、徳川家存続は薩摩藩でなければ実現できないとし、「この一命にかけ、ぜひぜひお頼みする」とする内容。福岡市の中学3年女子は「歴史の中で活躍する女性の姿が文字から伝わってくる」と話した。
 人気の戦国島津関連では、豊臣秀吉と島津との軍事衝突を危惧する足利義昭の書状、島津豊久から贈り物を受け取った秀吉の礼状などが並ぶ。十二代沈壽官が手がけた高さ91.5センチの薩摩焼や、黒田清輝、藤島武二、安藤照らの美術作品も見応えがある。
 切原勇人学芸課長は「これほどの貴重資料を一度に展示する機会はなかった。鹿児島の博物館として歩んだ40年の成果を見てほしい」と語った。一般410円、高大生250円、中学生以下無料。5、13、19日休館。

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