コロナ警戒 病院が再び「面会規制」へ 感染者が9週連続増、5類移行前へ逆戻り 鹿児島県内

面会の条件について説明する貼り紙=19日、鹿児島市医師会病院

面会の条件について説明する貼り紙=19日、鹿児島市医師会病院

〈関連〉面会の条件やマスク着用を呼びかける病院入り口=19日、鹿児島市医師会病院

〈関連〉面会の条件やマスク着用を呼びかける病院入り口=19日、鹿児島市医師会病院

〈関連〉面会の条件やマスク着用を呼びかける病院入り口=19日、鹿児島市医師会病院

〈関連〉面会の条件やマスク着用を呼びかける病院入り口=19日、鹿児島市医師会病院

鹿児島県内の医療機関が入院患者の面会対応を巡り、新型コロナウイルス感染者の拡大に翻弄(ほんろう)されている。感染症法上の位置付けの5類引き下げ以降、報告数は9週連続で増加。移行後に面会を再開したにもかかわらず、再び中止する施設が出ている。地域の感染状況や医療態勢の充実を踏まえ継続する施設も、今後の動向に神経をとがらせる。
薩摩川内市の森園病院は16日から一部病棟で面会を中止した。コロナ禍に設けた制限は4月に解き、面会を復活していたが、止まらぬ感染増を受けて見直した。再開のめどは立っていない。江畑浩之副理事長(75)は「街ではマスクをしない人が増えるなど対策が緩むが、医療機関は気が抜けない。世間との認識の差が大きい」と感染拡大を懸念する。
奄美市の医療機関も6月下旬に再び面会を原則禁止にした。コロナ禍の面会は認めず荷物の差し入れに限っていた。3月頃から時間や人数を制限して再開していたところだった。担当者は「誰が感染しているか分からない。患者のリスクを考えると面会を中止せざるを得ない」と明かす。
県が21日発表した名瀬保健所管内のコロナ患者は、1定点医療機関当たり44.6人。県全体の19.08人に比べ高い水準だ。担当者は「感染報告は減っておらず緩和に踏み切れない」と話した。
地域の感染状況や施設の構造によっても、対応は分かれる。
霧島市立医師会医療センターは、5類移行後から患者1人につき、週1回2人まで認める。重田浩一朗副院長(60)は「直接会うことによる精神面へのメリットは大きい。現時点で面会を中止する予定はない」と話す。
同市が含まれる姶良保健所管内の感染者は1機関当たり14.55人。他地域に比べ落ち着いていることに加え、5類移行後、コロナ患者受け入れにあたる同センターの負担が減ったことも背景にある。同センターは主に重症者、周辺の他の機関が軽症者と地域で役割分担が進んできたという。
鹿児島市医師会病院は条件付きで面会を継続する。大迫政彦院長(66)は「体調が悪い時は来院を控えるなど、市民の感染対策への理解が深まっている」とみる。同院のコロナ患者は一般病床とは別棟で受け入れており、感染対策を講じやすい事情もある。大迫院長は「流行がこれ以上広がり、一般病床までコロナ患者が入れば、見直す可能性もある。感染状況を注視する」と話した。

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