僕の町でも戦争があった…岩川飛行場から出撃した「芙蓉部隊」曽於の小学6年生、1カ月かけ調査し冊子に市の埋文センターで展示

芙蓉部隊を調べて小冊子にした片平要君＝曽於市大隅町月野の市埋蔵文化財センター

慰霊碑「芙蓉之塔」＝２０２０年、曽於市大隅

旧海軍芙蓉部隊の飛行服＝曽於市大隅町月野の市埋蔵文化財センター

　鹿児島県曽於市末吉の岩南小学校６年、片平要君が夏休みの自由研究で小冊子にまとめた「僕達のすぐそばにも戦争があった…」が、市埋蔵文化財センター（大隅町月野）に展示された。身近な戦跡を調べて事実を知ることで「人を思いやる気持ちが持てれば世界は平和になると思う」と記している。
　片平君は、大隅町の八合原にあった海軍岩川飛行場から沖縄戦に参加した芙蓉部隊について、約１カ月かけて資料や現地訪問で調査。夜間攻撃を専門にした芙蓉部隊の特徴や搭乗員宿舎跡、地下発電所、慰霊碑「芙蓉之塔」などを写真や地図、イラストで紹介した。
　戦時中、隊員が写真撮影などに訪れていた澤写真館の澤俊文さん（８２）にもインタビュー。資料や写真を見せてもらいながら、当時の様子を聞いた。
　小さい頃からゼロ戦のプラモデル作りが好きだった片平君。ロシアによるウクライナ侵攻のニュースを新聞やテレビで知るうち、芙蓉部隊を調べたいと思ったという。
　自由研究は、２０２２年度曽於地区小学校社会科作品コンクールで優秀賞を受賞。顕彰活動に取り組む住民団体・岩川芙蓉会が作品の完成度を評価し、展示を依頼した。芙蓉会会長の持田初穂さん（７５）は「よく調べていて素晴らしい作品。特に若い人に手に取ってほしい」と話した。