出水で越冬中のツルのねぐらの水から鳥インフル検出 採取地点半径3キロ内に11養鶏場、47.4万羽飼育

荒崎地区にある野鳥のねぐら=10日午後5時ごろ、出水市荘

 荒崎地区にある野鳥のねぐら=10日午後5時ごろ、出水市荘

野鳥監視重点区域になっている場所を地図で確認

 野鳥監視重点区域になっている場所を地図で確認

 鹿児島県は10日、出水市の荒崎地区にある野鳥のねぐらの水から、高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1亜型)を検出したと発表した。県内の野鳥関連での確認は今季初で、全国8例目。県内の養鶏場から異常の報告はない。
 県畜産課によると、採取地点から半径3キロ圏内には11の養鶏場があり、計47万4000羽が飼われている。家畜保健衛生所が同日実施した立ち入り検査では、異常は確認されなかった。13日に関係機関や団体を対象とした防疫対策会議を鹿児島市で開く。
 環境省は10日、同10キロ圏内を野鳥監視重点区域に指定した。県は死んだり弱ったりしている野鳥がいないか、国や出水市と連携し、監視を強化する。
 県は同日、関係部局長らを集めた対策本部会議を開催。検出状況を共有し、防疫徹底を確認した。
 県自然保護課によると、同市が6日、今季初めてねぐらの水を採取。鹿児島大学がウイルス分離検査を実施し、10日に荒崎地区の試料について高病原性と確定した。
 今月上旬にはツルが1000~2000羽、カモ1000羽が確認されている。8日までに同市高尾野町江内と東干拓でヒドリガモの死骸が計2羽回収され、簡易検査は陰性だった。国立環境研究所で遺伝子検査中。
 昨季は計17カ所のねぐらの水からウイルスを検出。ツルを中心に1500羽以上が死亡し、抽出検査などで170羽からウイルスを確認した。4市13養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが発生。計137万羽を殺処分した。

コメント