初の合葬墓、鹿児島市が星ケ峯墓園に整備 8500区画の空きあるけど…あえて造るのは理由がある

合葬墓の整備が予定される星ケ峯墓園=鹿児島市五ケ別府町

 合葬墓の整備が予定される星ケ峯墓園=鹿児島市五ケ別府町

【関連図】鹿児島市合葬墓のイメージ図

 【関連図】鹿児島市合葬墓のイメージ図

 鹿児島市は2023年度、市営星ケ峯墓園(五ケ別府町)に、初の合葬墓を整備する。最多で3000柱を埋葬できる。今年12月から利用者を募集し、24年1月に受け入れを始める。
 合葬墓は家族や家、一族単位ではなく、多くの人の遺骨を合同で納める墓。少子高齢化や核家族化の進行に伴い墓の継承者がいない人のほか、経済的理由で墓が持てない人らの利用を想定する。
 市は21年3月に基本計画を策定。埋葬数は年間60柱程度、50年間の運用を見込む。
 同墓園の中央部に整備し、地下に埋葬施設、地上にモニュメント(墓石)を配置。献花台や参拝施設も設け、名前を刻印できる銘碑も置く。事業費は約9000万円。
 環境衛生課によると、地下の埋葬施設には個別に納める保管室と共同の合葬室を設置し、10年間個別保管した後に合葬もできる。7月に着工し、利用料などを定めた条例案を9月市議会に提案する。10月以降に周知広報を図る。
 市営墓地は市内18カ所に4万3400区画ある。うち約8500区間の空きがあり墓不足ではないものの、後継者不足により管理が行き届かない墓の増加などが懸念される。
 市営墓地の墓じまいは年間300件ほど。水口賢治課長は「荒れた墓を少なくしていきたい。今後は申し込み状況を見ながら検討する」と話した。

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