医者が考える「痛い」病気ワースト5

 「痛み」について考えたことはありますか?病気予防や、適切な診断・治療のためには、どの部位でどんな痛みが出ているのかをしっかりと伝える必要があります。

 数多くの患者と向き合う、みやま市工藤内科の医師・工藤孝文先生は、自身のYouTubeで強い痛みが出る病気について解説をしています。今回は、工藤先生が選ぶ「痛い病気ワースト5」と、その痛みの特徴を紹介します。

■第5位 群発頭痛
頭痛の一種で男性に多い病気です。
目をえぐられるような痛みがあり、目が充血する、目がズキズキして痛いというのが特徴です。頭痛にはほかにも同じ姿勢を取り続けることなどで起こる「緊張型頭痛」やズキズキと脈打つような痛みが特徴の「片頭痛」もありますが、なかなか治らない頭痛がある時は、「群発頭痛」を疑ったほうがいいかもしれません。激しい頭痛が起こっている場合はほかにもくも膜下出血や髄膜炎など重大な脳の病気が隠れている場合もあります。注意しましょう。

■第4位 心筋梗塞
心臓に酸素と栄養を運ぶ冠動脈が詰まって、胸が痛くなる病気です。発症すると冷や汗、吐き気、強い痛みが出ます。心筋梗塞の基本的な原因は動脈硬化、糖尿病・高血圧・高コレステロールなど。

■第3位 胆石
あるデータでは、10人に1人が胆石を持っていると言われています。ものすごく胸が痛くなり、冷や汗、締め付けられるような痛みを感じ、心筋梗塞を疑いましたが、入院後もずっと痛みがあったため検査をして、胆石だとわかったこという事例があります。
心筋梗塞に匹敵するぐらい、胆石症は痛い病気と言われます。エコー検査などで胆石を指摘されたことがある方は、そのことを医師に伝えることで診断に近づける可能性があります。

■第2位 膵炎
膵臓が炎症を起こす「膵炎」は、強い痛みがあり、致死率が15~30%と高い病気。
原因はお酒にあることが多いとされています。膵臓は消化酵素を出す臓器で、タンパク質や脂肪を溶かします。この膵臓が炎症を起こすということは、わかりやすく言うと臓器を溶かしてしまう。体の中で火事が起きるようなイメージです。
みぞおちあたり、その反対側の背中が痛い時は、急性膵炎という病気を考えて救急車を呼びましょう。致死率が高い病気のため、救急車を呼ぶか呼ばないかで死亡率が変わってきます。

■第1位 尿管結石
腎臓でできた石が尿管で詰まってしまい、どんどん水圧があがって痛みが増していく病気です。ベッド上で悶えるように痛がる人、腰の右あたりを押さえるように病院に来る人が多いです。朝方は脱水になって尿管結石になりやすいため、朝方に痛みがあって病院する方は尿管結石を疑い治療します。尿管結石の場合は、薬を使うとすぐに痛みはとれます。
昔は40代ぐらいからの病気とされていましたが、最近では30代も増えています。
その理由は欧米食に変わった影響だと言われています。夏場はビールを飲むと尿管結石になりやすいため、お酒の摂取に気を付けること。そして、しっかり水分をとる、しっかり運動をすることで予防もできます。

 最後に、工藤先生は「しっかり知りたい方はインターネットで予防法や痛みの特徴を調べてみてください。そうすることで、予防もでき、痛みを避けることができます。」と話しています。

 どこにどんな痛みが出ると、どういった病気の可能性があるのか…。自己診断はよくありませんが、病気について知ること、体と向き合うことはとても大切です。意識を向けてみてはいかがでしょうか。

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