南九州畜産獣医学拠点 牛舎・研究棟の建設始まる

南九州畜産獣医学拠点 牛舎・研究棟の建設始まる 

高校跡地の敷地3万平方メートル、総事業費22億8200万円 

全国から学生受け入れ、現役獣医師のスキルアップも 

鹿児島大と曽於市

image

牛舎などの建設予定地。急ピッチで造成が進む=曽於市財部町南俣

 鹿児島県曽於市が鹿児島大学と連携し、県立財部高校跡地に整備する「南九州畜産獣医学拠点」事業が本格化している。7月の市議会臨時会で、牛舎等新築工事の請負契約など施設関係の議案が可決され、建設が始まる。2024年4月オープンを目指す。17日に安全祈願祭が現地であった。
 約3万平方メートルの敷地に牛舎(400頭)と鶏舎(5000羽)を整備するとともに、校舎を改修して教育・研究棟を設ける。引退した競走馬など馬20頭の農場も併設する。
 鹿大生だけでなく、全国の獣医系大学からも学生を受け入れ、臨床実習ができるようにする。現役獣医師のスキルアップや新たな産業の創造、交流人口の増加などにも取り組む。
 今年5月に造成に着手。校庭のプール解体や弓道場、部室棟の撤去、周辺の雑木伐採などを進めてきた。臨時会で可決された請負契約は牛舎等のほか、2、3階建ての校舎(鉄筋コンクリート)を改修して仕上げる教育・研究棟関係になる。総事業費22億8200万円のうち、計12億3145万円を占める。
 曽於市は4月の組織再編で拠点整備推進室を設置。担当者を従来の1人から3人に増やし注力する。住民説明会がこれまで3回(昨年9月、11月、今年5月)あり、延べ211人が参加。五位塚剛市長、鹿大の岩井久理事らが出席して、財源問題や財部地区の活性化策、畜舎の臭気対策などについて質疑が交わされた。

コメント