将来地震を起こす活断層がどこにあるのか?近場の震源断層はどういったものなのか?などが一発でわかる「J-SHIS Map」

日本では将来地震を起こすと考えられている断層である「活断層」のリスクを、地震に関する調査研究結果を伝える政府機関の地震調査研究推進本部が評価・公開しています。この活断層が自分の暮らす地域の近くにあるのかや、どういった活断層なのかなどの情報を手軽にチェックできる「J-SHIS Map」が、地震ハザードステーション(J-SHIS)により公開されています。
J-SHIS Map
https://www.j-shis.bosai.go.jp/map/


マップは初期状態だと「30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率の分布図」となっており、マップ上の色が黄色に近いほど震度6弱の揺れが発生する確率が0%に近く、紫色に近いほど震度6弱の揺れが発生する確率が100%に近いことを示しています。

マップの左上にある検索ボックスから特定の地点を検索可能。試しに「石川県」と入力して「場所を検索」をクリックすると、検索結果として複数の候補地点が表示されました。2024年1月1日に最大深度7を記録した能登半島地震の本震の震央である珠洲市は表示されなかったので、隣の輪島市を表示してみました。能登半島は「30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」が0.1~3%(黄色)となっていますが、能登半島地震が起きたようにこの数字が「地震が起きない安全な地域である」と示すものではないため注意が必要です。

地域指定できる検索ボックスの下には「震源断層」があり、「主要活断層帯」(赤色)、「その他の活断層」(黒色)、「海溝型地震震源断層」(黄色)、「海溝型地震発生領域」(緑色)、「主要活断層帯地表トレース」(ピンク色)という項目をチェック可能となっています。

「主要活断層帯」にチェックを入れると以下の通り。マップ上に主要活断層帯の位置が半透明の赤色図形で示されました。

主要活断層帯をクリックすると、想定されるマグニチュードや採用確率モデル、平均発生間隔、最新活動時期、30年発生確率、50年発生確率などが表示されます。

「その他の活断層」にチェックを入れると以下の通り。輪島市の場合は主要活断層帯よりもその他の活断層が近くに存在することがわかります。

主要活断層帯以外の震源断層の詳細情報を表示するには、表示したい「震源断層」の左側のチェックマークをクリックし、情報を表示したい震源断層をクリック。輪島市の近くには主要活断層帯はなかったため、その他の活断層の詳細情報を表示してみました。その他の活断層は主要活断層帯よりも表示される情報が少ない模様。

「海溝型地震震源断層」や「海溝型地震発生領域」も表示してみました。「海溝型地震震源断層」は「海溝型地震発生領域」と完全に被っているため、2つを同時に表示すると「海溝型地震震源断層」が表示されていないように見えますが、「海溝型地震発生領域」を消すと「海溝型地震震源断層」を確認できます。

なお、活断層の中でも「30年以内の地震発生確率が3%以上」という最も地震発生の切迫度が高い「Sランク」の活断層は、2024年1月1日時点で31存在しています。2024年1月1日時点の主要活断層帯の評価一覧は地震調査研究推進本部により公開されており、中でも最もリスクが高いと評価されたSランクの活断層の一覧は以下の通りです。
・糸魚川-静岡構造線断層帯(中北部区間)
・糸魚川-静岡構造線断層帯(北部区間)
・糸魚川-静岡構造線断層帯(中南部区間)
・日奈久断層帯(八代海区間)
・境峠・神谷断層帯(主部)
・中央構造線断層帯(石鎚山脈北縁西部区間)
・阿寺断層帯(主部/北部)
・三浦半島断層群(主部/武山断層帯)
・三浦半島断層群(主部/衣笠・北武断層帯)
・安芸灘断層帯
・森本・富樫断層帯
・山形盆地断層帯(北部)
・高田平野断層帯(高田平野東縁断層帯)
・宍道(鹿島)断層ケース2
・警固断層帯(南東部)
・砺波平野断層帯・呉羽山断層帯(砺波平野断層帯東部)
・砺波平野断層帯・呉羽山断層帯(呉羽山断層帯)
・弥栄断層
・日奈久断層帯(日奈久区間)
・庄内平野東縁断層帯(南部)
・新庄盆地断層帯(東部)
・黒松内低地断層帯
・櫛形山脈断層帯
・奈良盆地東縁断層帯
・高山・大原断層帯(国府断層帯)
・サロベツ断層帯
・塩沢断層帯
・周防灘断層帯(周防灘断層帯主部区間)
・菊川断層帯(中部区間)
・雲仙断層群(南西部/北部)
・木曽山脈西縁断層帯(主部/南部)
・十日町断層帯(西部)
・上町断層帯
・琵琶湖西岸断層帯(北部)
・福智山断層帯

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