操業開始50年 鹿児島・さつま町にある世界最大の工場とは? この町ならではの施設も完備!

image
image
image
image

わずか数センチの小さな部品ながら自動車やオートバイのエンジンに欠かせない部品、それがスパークプラグです。このスパークプラグの生産量世界一を誇る工場が、鹿児島県さつま町にあります。操業開始から50年を迎えたその工場に潜入しました。
自動車やオートバイなどのエンジンの内部で火花を放ちエンジンを作動させる役割を果たす、スパークプラグ。わずか数センチ、価格も数百円から数千円と、決して高価なものではありませんが、エンジンに欠かせない部品でもあります。
そんなスパークプラグの製造で世界一の生産量を誇るのが、さつま町田原の「日特スパークテックWKSさつま工場」です。愛知県に本社を置く日本特殊陶業のグループ会社の工場で、2023年、操業開始から50年を迎えました。
用途に応じた3000種類ものプラグを製造でき、月間の生産数は約2500万本。これまでに110億本以上のプラグを製造し、現在、約1200人の従業員が勤務しています。
日特スパークテックWKSさつま工場・山口益男副工場長
「ここは最終の組み立て工程になります。セラミック部品と金具部品を組み合わせる工程ですが、最終(工程)なので手厚い保証(検査)がされています」
鹿児島テレビ薩摩川内支局・牧瀬大輔記者
「こちらでは、製品をメーカーに出荷する前の最終確認が行われています」
エンジンに点火するという部品の性質上、細心の注意がはらわれる製品の検査。工場内での作業の多くは機械化されていますが、一部の製品はメーカーの要望により、最終検査が人の目で入念に実施されています。
従業員
「最後に触れる検査のところなので、不良品が流れないように気を使いますね」
従業員
「検査するところは決まっています。でも、全体的に見てはいます。検査する順番というか、流れというのが決まっていて、みんなその流れ通りにしています」
こうして生産される製品の約8割は、補修用の交換部品として中東や南アフリカをはじめとした海外に輸出されているそうです。
一方、工場の中には従業員向けに、鹿児島ならではのこんな意外な施設も。
敷地内から湧き出る源泉を使った源泉かけ流しの温泉です。従業員とその家族はこのお湯を1年中楽しむことができます。
さらにトレーニングジムも! 従業員ならだれでも利用でき、取材した日は社会人ラグビーの九州リーグで活躍するラグビー部のメンバーが汗を流していました。
記者)勤務の後に汗を流していますけどいかがですか?
ラグビー部員「本当にうれしいですね、こういう施設があって」
ラグビー部員「働いた後に(トレーニングで)もう一度、頑張る。さっぱりした気持ちで帰るというのがすごく良いと思います。」
世界一の生産規模に…変わりダネの福利厚生…。しかし工場の特色はこれだけにとどまりません。
もうひとつの特色が、地元雇用です。約1200人の従業員の半数ほどが町内からの採用で、立地するさつま町でも地域振興への影響は大きいと話します。
さつま町・上野俊市町長
「身近なところに、世界規模の工場があるというのは、どこにもない素晴らしいもの。地域経済の要として、中心的な存在として、しっかりと支えてきていただき、雇用の面でも非常に大きな役割を果たしてもらっていると思う」
日特スパークテックWKSさつま工場・山口益男副工場長
「最初は90人程度で生産を開始しました。それから、今日(こんにち)世界一の生産工場に成長したわけですが、引き続きこれからも60年、70年、100年と、さつま工場で生産し続けられるように、しっかり後輩にたすきをつなぎ、さらなる成長をしていきたい」
創業開始から50年。今後電気自動車が普及するとスパークプラグは必要なくなるのでは?との疑問もありますが、この工場で生産される製品の約8割は補修用の交換部品として中東や南アフリカなどに輸出されているので、すぐに需要がなくなるということはなさそうです。
このように自動車関連産業を取り巻く環境が目まぐるしく変化する中、今後も工場はエンジンになくてはならない部品の製造元として、地域と共にさらなる飛躍をめざします。

コメント