改修のタイミング築30年が近づく水族館…鹿児島市「現地が適地」 移転は検討せず

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鮮やかなブルーにライトアップされたかごしま水族館の外観
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 鹿児島市議会は20日、本会議を開き個人質問を行った。飼育施設の老朽化が進み改修を検討しているかごしま水族館について、市は「現在の場所が適地である」として移転しない方針を示した。現在、建物が施設設備の更新に耐えられるか調査しており7月以降、結果を踏まえ改修の規模やスケジュール、展示内容など整備の方向性を決める。
 大量の海水を使う水族館は一般的に、設備が塩分や湿気の影響を受けるため、築30年ほどで設備の改修が必要になる。照明器具や配管などの修繕は順次行っているが、水槽内の防水塗装の塗り替えなどでは、展示生物の移動が伴う大規模な改修が必要となる。
 市観光振興課によると、水族館の在り方を巡っては、2022年8月から職員7人で構成する検討委員会を3回開催。改修の際は、施設のリニューアルを優先することや建物調査の必要性について協議してきた。鹿児島湾とつながるイルカ水路などの既存施設を活用できるため、改修の際も現地が適切と判断したという。
 本会議では、議員から改修に伴って、イルカの体の仕組みや能力を説明する「いるかの時間」を継続するか問われ、市は「今後、動物福祉に配慮しながら魅力を伝えていく方法を調査・研究する」と答弁。「社会経済情勢の変化などを踏まえ、鹿児島ならではの施設となるよう検討したい」と説明した。
 同水族館は1997年5月30日にオープン。約800種類1万点を飼育し、黒潮周辺の生物を展示する水深5メートル、水量1500トンの大水槽は九州最大級とされる。2022年度の入館者は、新型コロナウイルス流行前と同程度の約61万人だった。

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