映画「007」鹿児島ロケ地 海外から聖地巡礼「あそこにジェームズ・ボンドが」[

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人気スパイ映画「007」シリーズの第5作で、1967年に公開された「007は二度死ぬ」は、鹿児島でも撮影が行われました。新型コロナによる入国制限が緩和された今、海外の熱烈なファンがロケ地を巡るいわゆる「聖地巡礼」が復活しつつあります。
かつて「007」のロケが行われた、南さつま市坊津町秋目です。20日、アメリカやドイツなど8か国から観光客25人が「聖地巡礼」に訪れました。秋目は、ショーン・コネリーが演じる主人公・ジェームズ・ボンドが、敵との最終決戦に向けて過ごした漁村です。
ツアーを企画したのは、オランダから来たマーティン・ムルダーさん(51)。2017年にも鹿児島のロケ地を訪れたことがあり、今回、SNSなどでファンの仲間に呼びかけ、ツアーを再び実現させました。
(ツアーを企画 マーティン・ムルダーさん)「もう一度来たかった。多くの住民に歓迎され、それを実感できて本当に素晴らしい」
ムルダーさんら一行は18日に鹿児島に到着。出迎えたのは、最初の目的地でもある城山ホテル鹿児島のスタッフです。
城山ホテル鹿児島は、当時、ショーン・コネリーら出演者やスタッフが宿泊した場所でした。ホテルの当時の社内報にも、「三日間全館貸し切り 007映画撮影班」と記されています。
(参加者)「このホテルに感動した。とても美しい」
(ツアーを企画 マーティン・ムルダーさん)「このホテルには撮影クルーが宿泊していて、ジェームズ・ボンドも最高のホテルとして利用していた。だから宿泊はここに決めていた」
(城山ホテル鹿児島 渡千左代さん)「ジェームズ・ボンドに関わるパネルなどを作って、記念撮影までしてもらえて、作った甲斐があった」
翌日。ムルダーさんらが訪れたのは、霧島山。新燃岳は、敵の組織「スペクター」の基地でした。
(参加者)「あれがジェームズ・ボンドがいた火口?」「あのクレーターのような場所だよ」
(県内の登山客)「何日間、宿泊?」
(参加者)「3日」「城山ホテル鹿児島に」
(県内の登山客「帰国したら、鹿児島はいい街だと伝えてください」
(参加者)「心配しないで。本当に楽しい時間を過ごしています」
(県内の登山客)「まさか新燃岳がロケに使われているとは、初めて聞いた」
この日はさらに、もうひとつの聖地、鹿児島市天保山町へ。ここは、ジェームズ・ボンドが、秘密兵器のオートジャイロで桜島を横目に飛び立った場所です。
そして20日。南さつま市秋目の「聖地」を訪れたムルダーさんたち。住民らの歓迎を受けて、ロケが行われた民家や海岸を散策しました。
(ツアーを企画 マーティン・ムルダーさん)「4年後に映画公開60周年になる。またここに来ます」
(地元の人)「『秋目は最高、秋目に来てよかった』と言われた。(撮影地だったことは)財産、将来に残していきたい」
鹿児島で6年ぶりに行われた、海外からの007の聖地巡礼ツアー。こうした海外からの観光客は鹿児島でも増えつつあります。
県内の外国人宿泊客の数は、去年は100人台にとどまった月もありましたが、去年10月の入国制限の緩和とともに増加。コロナ禍前の2割程度ではあるものの、今年に入り9000人台に増えています。
そして、人気作品の舞台を巡る「聖地巡礼」は、リピート率や経済効果も大きいと観光関係者も期待しています。
(県観光連盟海外誘致部 川窪重伸部長)「リピーターを超えて、地域のファンになってくれる人なので、何回も足を運んでくれる。チャンスととらえて、これから(PRに)打って出る時期にきた」
鹿児島には、007以外にも映画「もののけ姫」の舞台のモデルになったとされる屋久島の白谷雲水峡や、アニメ映画「君の名は。」や「秒速5センチメートル」で、モデルとなった中種子町の街並みなどがあります。
その一方で課題となるのが、観光客の受け入れ態勢です。今回、訪れた007のファンたちも、ガイドのいない中、新燃岳を見に訪れ…。
(参加者)「この辺がいいんじゃないか?どっちに行くんだろう?新燃岳の景色が見えるはずなんだが」
(県観光連盟海外誘致部 川窪重伸部長)「しっかりと客をガイドしないといけないし、歴史的背景、作品が生まれた背景も知らないといけない」「しっかりとした受け入れ態勢づくりを官民一体でやる必要がある」
「聖地巡礼」などを武器に、いかに鹿児島に外国人観光客を呼び込み、人気を定着させていくのか?外国人観光客の動きが戻りつつある今こそがチャンスなのかもしれません。

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