春近し、ザトウクジラの豪快ジャンプ 鹿児島・奄美に今季も来遊

奄美沖で豪快にジャンプするザトウクジラ=鹿児島県奄美大島沖で2023年1月4日午前11時6分、神田和明撮影

奄美沖で豪快にジャンプするザトウクジラ=鹿児島県奄美大島沖で2023年1月4日午前11時6分、神田和明撮影

 鹿児島県・奄美大島周辺海域にザトウクジラが来遊するシーズンを迎えた。クジラを観察するツアーも始まり、観光客らは、ゆっくりと周遊したり、ジャンプしたりする姿を楽しんでいた。奄美沖のクジラは3月末ごろまで観察できるという。

 クジラの調査を続ける奄美クジラ・イルカ協会(興克樹会長)によると、今季は2022年11月24日に初めて姿を見せ、今月4日まで約30頭を確認した。昨季(21年12月~22年4月)の確認数は過去最多の1767頭に上り、ツアー客4961人がホエールウオッチングを楽しんだ。

 同協会はツアーの開始に合わせた3、4日、船の発着港がある奄美市名瀬の小湊町内会の住民ら約80人を招待。参加者は、豪快なジャンプや、尾で水面をたたくクジラに歓声を上げた。両親の故郷に神戸市から帰省した中学1年の辰島優月さん(13)は「ジャンプに迫力があった。正月の良い思い出になった」と話した。

 ザトウクジラは成長すれば体長約15メートル、体重30トンにもなる。繁殖期の冬になるとロシア・カムチャツカ半島周辺から奄美・沖縄周辺海域に南下。繁殖や子育てをした後に再び北上する。【神田和明】

コメント