武力攻撃を想定、屋久島で来年1月に実動避難訓練 内閣官房と鹿児島県検討

1月の図上訓練で、離島避難の流れを確認する関係機関=鹿児島県庁

 1月の図上訓練で、離島避難の流れを確認する関係機関=鹿児島県庁

【表】鹿児島県が想定する屋久島住民の避難ルート

 【表】鹿児島県が想定する屋久島住民の避難ルート

 他国からの武力攻撃を想定し、屋久島町の全住民を本土に避難させる実動訓練について、来年1月に実施する方向で内閣官房や県が検討していることが13日、関係者への取材で分かった。今年1月に県庁であった同町の図上訓練で挙がった課題を整理し、迅速な避難の在り方を確認する。
 訓練は国民保護法に基づく取り組みで、武力攻撃想定の広域避難訓練は県内で初。図上訓練では、政府が屋久島と口永良部島に武力攻撃の可能性があると判断。約1万1800人を避難させる想定で行われた。県は通常の民間船舶と航空機で避難に最低6日かかるとの試算を示した。
 参加した町民らからは、観光客を含めた滞在者の所在・本人確認の方法、家畜の扱いなどの課題が挙がっており、県危機管理課は関係機関と協議する。
 県は2023年度、改めて図上訓練も実施する方針。10日発表した一般会計当初予算案に、実動訓練を含めた関連費用1361万円を盛り込んだ。

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