残った、残った…姶良の伝統行事「くも合戦」 市が事務局担当継続で決着

加治木の伝統行事「くも合戦」の様子

 加治木の伝統行事「くも合戦」の様子

事務局の今後の在り方について話し合うくも合戦保存会の役員ら=7日、姶良市加治木

 事務局の今後の在り方について話し合うくも合戦保存会の役員ら=7日、姶良市加治木

 約400年続くとされる伝統行事で、国選択の無形民俗文化財となっている「加治木くも合戦」を巡り、保存会が鹿児島県姶良市に対して事務局業務の継続を要望していた問題で、同市は17日、「当面、事務局については、本市にて担当する」と文書で回答した。市商工観光課は「保存会と協力して伝統ある大会を継続、成功させたい」としている。
 姶良市加治木町くも合戦保存会によると、市は回答書に当面、事務局を担うと明記。業務としては、くも合戦大会の事務作業や運営補助、保存会の総会補助などを挙げている。また、他の伝統行事の保存会との公平性を保つ観点から、将来的な事務局体制について引き続き検討するとしている。
 保存会の事務局業務を巡っては、これまで実質的に業務を担当してきた姶良市が、他団体との公平性などを理由に継続しない方針を示す一方で、保存会は継続を求めていた。保存会は8日、市に要望書を提出。支援が得られない場合は「解散せざるを得ない」とし、大会の継続が危ぶまれていた。
 吉村正和会長は「これまでも行政支援があってこそ続けられており感謝している。保存会と大会を継続する方向で前向きに検討したい」と述べた。保存会は近く、役員会を開いて正式に対応を決める。

コメント