混迷の時代伝える150点 「南北朝の動乱」展が開幕 黎明館、11月5日まで

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開幕した「特別展 南北朝の動乱と南九州の武士たち」=29日、鹿児島市の黎明館

合戦の様子を描いた屏風など貴重な史料が並ぶ会場=29日、鹿児島市の黎明館

 合戦の様子を描いた屏風など貴重な史料が並ぶ会場=29日、鹿児島市の黎明館

 黎明館開館40周年記念企画特別展「南北朝の動乱と南九州の武士たち」(同館、南日本新聞社など主催)が29日、鹿児島市の同館で始まった。武力衝突が繰り広げられた混迷の時代を伝える古文書や刀剣、びょうぶ絵など約150点を展示する。11月5日まで。
 展示では、鎌倉時代のモンゴル襲来から、鎌倉幕府滅亡、南北朝時代まで100年超にわたる戦乱の歴史と、南九州の武士たちがどうに関わったかを追う。
 足利尊氏の木像や騎馬武者像など、歴史本や教科書にも掲載される貴重資料が集結。島津家や二階堂家、渋谷家といった南九州の武士が、天皇や幕府とやり取りした古文書類も並ぶ。島津家の活躍も描かれた「蒙古襲来絵詞(えことば)」(大矢野家本)も目を引く。10月3〜9日には、期間限定で重要文化財の太刀「笹貫」が披露される。
 鹿児島市与次郎2丁目の堂満幸子さん(88)は「貴重な品々を目の前で見られてうれしい。古文書と解説を見比べると分かりやすい」と話した。吉村晃一学芸専門員(49)は「絵巻物やびょうぶ絵もあり、当時の様子を想像してみてほしい」と呼びかけた。
 一般800円、大学生500円、高校生以下・障害者無料。黎明館=099(222)5396。

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