畜産地帯に入るとプーンと漂うアノにおい…“鹿屋香水”の汚名返上なるか 飼料に混ぜると、ふん尿臭が心地よい香りに…アロマのプロが解決法を提案

講演する黒木靖之さん=鹿屋市のホテルさつき苑

 講演する黒木靖之さん=鹿屋市のホテルさつき苑

 鹿児島県鹿屋市のホテルさつき苑で25日、肝属獣医師会研修会があった。南大隅町で植物由来の化粧品を製造する「ボタニカルファクトリー」の黒木靖之代表(55)が講師となり、畜産業にまつわる課題を香りで解決する方法を提案した。
 管内の獣医師約30人が出席。黒木さんは、植物、樹皮などから精製するアロマやエッセンシャルオイル(精油)の製造過程や特徴を説明し、ヨーロッパを中心に進む畜産での活用例を紹介した。
 精油を飼料に混ぜたり、噴霧したりすることで、家畜の食欲や消化率、腸内環境の向上が認められたという海外の論文を解説。鹿屋市で「鹿屋香水」とやゆされる家畜のふん尿臭を、精油の香りを使って心地よい香りに転換できる可能性も示した。
 参加者からは「行政も一体となって模索できないか」「当事者として真剣に考えたい」と意見が出た。黒木さんは「家畜臭気の話は業界内でもしづらい雰囲気。従来の解決策も組み合わせながら、鹿屋が本当に香り高い町となる助けになれば」と話した。

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