究極の休息を求めて 奄美大島ひとり旅

究極の休息を求めて 奄美大島ひとり旅

旅色LIKESメンバーのリリさんが、鹿児島県奄美諸島へ。“何もしない贅沢”が叶う本物のプライベートリゾート「THE SCENE」での過ごし方や、奄美大島での滞在の様子を紹介してくれました。リリさんはカメラが趣味なのですが、今回はあるアクシデントが起き、カメラ無しの旅に。そこで大切なことに気づいたそうです。

◆この記事を書いたメンバー

リリさん

リリさん(6期生)
今は会社員ですが、一年の半分くらいを旅先(特に海外)で過ごせるようになることを人生の目標にしています。 国内外問わず建築などを巡りながらのカメラ散歩、ウェルネス旅が好きで、海外では暮らすように過ごす旅もよくしています。ファッションも大好きで、どこ行く? 何着る? を日々妄想するのが至福の時間。

はじめに~今回の旅の目的~

待ちに待った3年2ヶ月ぶりの旅行でしたが、その始まりは最悪でした。空港から車で約10分経った頃、送迎車の運転手さんが「ここに展望デッキがあるから写真撮るなら寄っていくよー」と声をかけてくれました。写真撮影が趣味のわたし。デッキで意気揚々と一眼レフを構えると、動かないことに気づきました……。カメラは一度もシャッターをきることなく、ただの重たい金属の塊になってしまいました。ちなみに、今回の旅の目的は下記です。
・自分の心と身体に向き合い、ヨガや瞑想、リラクゼーションをしながらのんびり過ごす
・絶景写真をたくさん撮る
・星空の軌跡写真を撮る
つまり、目的の半分を失った状態のスタートとなったのですが、カメラがなくても得られた気づきなどを紹介します。

「観光」ではなく、「健康」のための旅へ

いまの気分に一番マッチする旅にするべく、年始からリサーチをはじめここしかない! とたどり着いた行き先、それが奄美大島のリゾートホテル「THE SCENE」です。

リリさん

部屋からの景色。周囲は国立公園となっておりとても静か。全室加計呂麻島&オーシャンビュー

スケジュール
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DAY1
15:00 チェックイン→無料パーソナルストレッチ→セルフアーシング
18:00 イタリアンコースディナー
20:30 星空鑑賞
DAY2
5:45 ホノホシ瞑想
7:30 サンライズヨガ→朝食
10:00 加計呂麻島クルーズ&上陸
13:00 ランチ
14:00 ヘッドマッサージ、リラクゼーション
16:30 サンセットヨガ
18:30 和食コースディナー
21:00 夜キャンドルヨガ
DAY3
7:30 サンライズヨガ→朝食
10:00 チェックアウト
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チェックイン後にまず受けたのは、敷地内の木陰で波の音を聴きながらの無料パーソナルストレッチ。海の音だけでも癒し効果は抜群、最高です! ストレッチは全国で展開しているDR.ストレッチの施術で、一人ひとりの体に合わせて対応してくれます。おかげでガッチガチだった私の首・肩・背中は見事スッキリ。

リリさん

綾瀬はるかさん、高橋一生さん主演のドラマにも登場。石は絶対に持ち帰ってはいけない

リリさん

リリさん

綾瀬はるかさん、高橋一生さん主演のドラマにも登場。石は絶対に持ち帰ってはいけない

リリさん

施術後は海岸を裸足で歩きながらアーシング。アーシングとは、素肌で大地や海に触れることで体内に滞留した電気を放電させようというアメリカ発祥の健康法です。このあとに夕食を取ります。

「星空保護区」を目指す奄美大島

今回の旅の楽しみのひとつであった「星空観察」は、ホテルのオプションサービスで1日目の夜に星空ガイドさんをお願いしていました。残念ながら雲と黄砂の影響で空は霞んでいましたが、東京人からすれば普段見られない星空が広がっていました。
◆奄美フォトサービス
住所:鹿児島県大島郡瀬戸内町阿木名1226-1
営業時間:平日 18:00~22:00、土曜日 18:00~22:00、日曜日 18:00~22:00
定休日:木曜日
ガイドの川崎さんは奄美を「星空保護区」にする活動をされているそう。「星空保護区」とは、光害の影響のない暗い自然の夜空を保護・保存するための優れた取り組みを称える制度のこと。光害の改善によりウミガメの産卵が戻ってきたなどの事例もあり、自然や生態系への良い影響につながる活動です。認定には、屋外照明に関する厳格な基準や、地域における光害に関する教育啓発活動などが求められ、自治体・観光業界・産業界・地域住民など多くの人々の理解と努力によって支えられています。ところが、奄美は常に流星が見えきれいな夜空が日常のため、島民の関心が得られないのが課題なのだとか。この環境を守り続けてほしい、私も何か力になれることはないだろうか、と旅が終わったいまも考えています。カメラが壊れたので念願の軌跡写真は撮れませんでしたが、興味深い話がたくさん聞けて充実の星空鑑賞でした。

奄美の天気は変わりやすい 「青い空・青い海」は嘘!?

リリさん

この場所はパワーが強すぎて疲れてしまう人もいるそう。スピリチュアルなものに疎い私にはなんの影響もなかった

翌日は朝5時台から活動します。日の出時間に合わせて水平線から覗く朝日を浴びながら、ホノホシ海岸でメディテーションをする「ホノホシ瞑想」はおすすめのアクテビティです。パワースポットとして有名なホノホシ海岸は丸い石が特徴で、波が引く時に丸い石がコロコロと音を立てるのも心地よいです。波の音は人間本来の心拍に近くリラックス効果があるのだそう。

リリさん

朝食の前にはサンライズヨガを体験。爽やかな朝の空気の中、波の音、鳥の囀りを聞きながらのヨガは本当に心地よいです。このような“心と体を整える”環境が整っているからか、健康意識の高い女性のひとり客が多いように感じました。心、身体、脳、究極の休息を求めて自分と向き合うのに相応しいホテルです。

リリさん

緑が濃いのも奄美の特徴

リリさん

曇り空でもこの透明度。浅瀬に見えるがこれで水深4メートル以上

リリさん

緑が濃いのも奄美の特徴

リリさん

曇り空でもこの透明度。浅瀬に見えるがこれで水深4メートル以上

実際に奄美へ行くまでは、SNSなどに上がる美しい風景写真や“ダイバーに人気の場所”というイメージがあり、青い空と青い海の印象が強かったのですが、実際に訪れてみると少し違うことがわかりました。磯臭さやベタベタ感とも無縁の素晴らしい海岸線が続いているのですが、それよりも地上の緑の印象の方がずっとずっと強いのです。もうひとつ気になったのは、快晴が少なく雨や曇りが多いこと。日本で最も日照時間が少ない奄美大島は山が多いので雲が発生しやすく、天気が変わりやすい地域です。トンネルを抜けると天気が違うというのはよくある話。「雲がかかった景色こそ奄美らしい」と地元の人たちは話していました。天気予報はあてにならないから、と島民は常に雨雲レーダーを見ながら天気の話をしていたのが印象的でした。“東洋のガラパゴス”とも言われる独特の生態系を育むのはこの雨なのです。

神秘の島・加計呂麻島へ

滞在2日目は加計呂麻島クルーズを予約していました。奄美大島は「結いの島(人と人を結ぶ島)」と言われるのに対し、船に乗って約20分で行き来できる加計呂麻島は「神の島」と言われ、より手付かずの自然が残る神秘的な島です。島に呼ばれた人しか行くことができない、という逸話もあるほど! この日は午後から雨予報、午前中はなんとか行けそうとの事。良かった、島は私を呼んでくれたようです。いつもより少し海が荒れているからボートが揺れる、とのため念のため酔い止めを持参して出発しました。

リリさん

門袖の上の貝は沖縄でいうシーサーのようなもの

リリさん

神々しい武名のガジュマル

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俵集落を散歩

リリさん

庭先にマンゴーやバナナが植えてある

リリさん

門袖の上の貝は沖縄でいうシーサーのようなもの

リリさん

神々しい武名のガジュマル

上陸後すぐに向かったのは大きなガジュマルの木。なんと樹齢300〜400年で、幹と根の区別がつかないほど。トトロの傘であるクワズイモが自生していたりとこの森はジブリ感満載。周辺を見学し、ホテルへ戻りました。帰りのボートはどしゃ降りとなったため大揺れ。もう海水なのか雨なのかわからないくらいびしょ濡れになりました。でも不思議と不快感はゼロ。むしろ悪いものを全て洗い流してくれたかのように清々しかったです。

おわりに~後日談有~

ホテルのコンセプトのとおり、邪念だらけだった私の心も身体も脳も自然の力ですっかり浄化されたようです。出会った人たちとの会話も弾み、知的好奇心も満たされ、思考もポジティブになりました。もしカメラが壊れていなかったら、私はこんなに五感を使って大自然を感じたり、人の話に真剣に耳を傾けることができたのだろうか? 撮影に夢中になって自分の休息を蔑ろにしてはいなかっただろうか? つまるところ、「私たちは自然に生かされているだけであって起きる物事には理由がある。うまくいかないのは自分にまだその準備ができていない、タイミングが悪いだけ」ということに気づかされた旅でした。気が付くと、映えない写真なんてどうでもよくなり、心で感じた素晴らしい瞬間を体験したことで心は十分に満たされていました。ちなみに……帰宅後すぐに修理に出した一眼レフ。しかし、修理センターからの回答はどこにも不具合がなく正常に撮影できていますとのこと。奄美でのカメラ無しで過ごした3日間は何だったのだろうか。やっぱりレンズ越しではなく、直に自然を感じろという島からのメッセージだった気がしてなりません。

リリさん

最後まで読んでいただき、「ありがっさまりょうた!」

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