鉄道を人口減社会で生かすには? ラ・サールの生徒が観光列車デザイナー川西康之さんと考えた

指宿枕崎線や沿線の街の未来を考えるワークショップ=13日、鹿児島市小松原2丁目のラ・サール学園

 指宿枕崎線や沿線の街の未来を考えるワークショップ=13日、鹿児島市小松原2丁目のラ・サール学園

〈別カット〉ラ・サール学園の生徒と指宿枕崎線や沿線の街の未来を考える川西康之さん

 〈別カット〉ラ・サール学園の生徒と指宿枕崎線や沿線の街の未来を考える川西康之さん

 鹿児島県南薩地域の鉄道や地域の未来を提言するワークショップが鹿児島市のラ・サール学園で始まった。枕崎市の南溟館で8月から始まる「果ての鉄道展」(枕崎市主催)の一環で、指宿枕崎線や沿線の未来を模型にして展示を目指す。13日の初回には、同学園の中学1年生から高校2年生までの18人が参加し、鉄道の意義や同線の歴史を学んだ。
 鉄道展を企画、統括する建築家の川西康之さん(47)が講師を務めた。川西さんは、枕崎市の枕崎駅舎やJR西日本の観光列車「WEST EXPRESS(ウエストエクスプレス)銀河」などのデザインを手がけてきた。
 枕崎まで鉄道ができた理由を「運ぶべき貨物があったから」として黒豚など都市部への貨物輸送で経済が発展した様子を紹介。世界の「果ての鉄道」として、金やダイヤモンドといった資源輸送で活用された南アフリカのケープタウンを走る鉄道なども取り上げた。
 指宿枕崎線の良い点と課題点を話し合うと、生徒からは「大量輸送」「観光客が降りたくなる駅づくりが必要」といった意見が出た。川西さんは「大量輸送できるにもかかわらず人口は少なくなる。今の生活スタイルと鉄道が結び付かなくなっている。関係性をつくり直すのは本当に難しい」と現状を説明した。
 高校1年の田井冬馬さんは「指宿枕崎線や沿線の街が少し寂しいと感じる。活性化してほしい」と参加の動機を話した。ワークショップは3回あり、26日の次回は廃線を地域のボランティアらが復活させた世界の「保存鉄道」の事例を学ぶ。

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