食品の値上げが相次ぐ中でカツオがうれしい“異例の豊漁”水揚げ25倍で大きく脂もノリノリとお買い得 その理由は?

2022年6月8日(水) 22:40

値段が上がっている食料品が多い中、今年は豊漁となっているありがたい魚がカツオです。値段が安いだけでなく、例年以上にアブラも乗っているという今年のカツオ。なぜ、豊漁なのでしょうか?
8日午前5時すぎの千葉県・勝浦漁港。そこで水揚げされていたのは・・・

Nスタスタッフ
「大量のカツオが水揚げされています。すごい数です」
次々と運ばれてくる大きなカツオです。この時期が旬だというカツオ。そんなカツオにいま、ある異変が起きているといいます。
漁師
「多いときは50トンとか30トンとか獲るよ」
「物もいいと思う、今年は。値上げの時期にカツオだけ安くなるという」
こちらの漁港では、原油価格の高騰の影響もあり4月まで不漁が続き、カツオの水揚げ量は約106トンでした。しかし、それが先月約2643トンと、約25倍に急増したのです。
また、こちらの漁港では今月5日、4月の1か月分を上回る、約342トンのカツオが1日で水揚げされたそうです。そして、この場所で獲れたカツオには、今年ならではの特徴も・・・

勝浦漁業協同組合 渡辺和明管理課長
「サイズが大きくてすごく最高なカツオが水揚げされています」
豊漁に加え、丸々として大きいのが特徴だといいます。
勝浦漁業協同組合 渡辺和明管理課長
「4キロから5キロくらいの大きい物が主流となって獲れていますね。今が本当に食べ時、今がまさにイチオシです」

サイズが大きく豊漁ということもあり、こちらの鮮魚店では・・・
斉藤水産 統括責任者 斉藤又雄さん
「春先は高めでしたけど、いまが豊富に獲れていますので、値段も安定して安くなっています」
2か月前は3000円ほどで売られていたカツオが、現在1800円ほどと、3割から4割近く安くなっているそうです。

カツオを買った人
「刺身で食べようと思います。お買い得だと思いましたよ」
さらに、うれしい異変は他にも・・・
斉藤水産 統括責任者 斉藤又雄さん
「脂が本当に乗ったカツオが獲れていますよ」
漁師
「大きくて脂が乗ってるから美味しいでしょ」
漁業関係者が口を揃えるほど、この時期のカツオの脂の乗りがすごいといいます。
カツオ料理がウリだという海辺の宿 磯料理 かくい。人気はカツオのづけおろし丼だそうですが・・・

海辺の宿 磯料理 かくい 渡邊朋喬代表
「脂が乗った状態でお刺身がオススメですね」
オススメは、厚めに切ったものと皮を炙った2つが楽しめる、この豪快なお刺身の盛り合わせです。身はツヤッツヤに輝いていて、お醤油につけると脂がしっかり浮いて見えるほど。そのお味は。

Nスタスタッフ
「食感がモチモチです。あっさりしているイメージがあったんですけど、かなり脂の甘みを感じます」
さらに、今後も豊漁が続いたら、こんな考えもあるそうで・・・
海辺の宿 磯料理 かくい 渡邊朋喬代表
「いつもの量よりさらに数切れですかね、お刺身を足してもいいかと思います」
しかし、なぜ美味しいカツオがいまこれだけ豊漁なのでしょうか。
漁業情報サービスセンター カツオ担当 水野紫津葉さん
「カツオは、もともと(秋ごろ)東北沖でエサをたくさん食べて、(亜熱帯海域の)南に南下回遊して戻っていく」
専門家によると、暖かい場所を好むカツオは東北沖の海でエサを食べた後、日本の南側にある暖かい亜熱帯海域の方へ戻ることが多いといいます。それが、近年はこの場所まで南下せず、日本の海の近くで過ごしたカツオの群れがいたことで、たくさん獲れた可能性があるそうです。

ただ、その理由については・・・
漁業情報サービスセンター カツオ担当 水野紫津葉さん
「それがですね、ちょっとそれも分からなくて、いま研究中なんです。回遊が例年通りであれば、今の豊漁は夏頃まで」
今後も豊漁が続くというカツオ。値上げの話題が続く中、食卓の強い味方になってくれるかもしれません。

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