馬毛島の自衛隊基地整備 賛成58% 2年連続「国防に必要」最多 反対は34% 南日本新聞社・意識調査

〈資料〉馬毛島の全景。画面奥は種子島本島=西之表市の馬毛島(本社チャーター機から撮影)

 〈資料〉馬毛島の全景。画面奥は種子島本島=西之表市の馬毛島(本社チャーター機から撮影)

【表】馬毛島への米軍機訓練を含む自衛隊整備計画への賛否と、その理由が分かるグラフ

 【表】馬毛島への米軍機訓練を含む自衛隊整備計画への賛否と、その理由が分かるグラフ

【地図】馬毛島の場所

 【地図】馬毛島の場所

 南日本新聞社は鹿児島県内の約千人を対象とした、安全保障問題の意識調査を4月に実施した。米軍空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)移転を伴う西之表市馬毛島の自衛隊基地整備について、賛成は58.3%で前回2023年と比べて2ポイント低下した。反対は34.4%で前年比1.3ポイント増だった。賛成の理由は昨年に引き続き、「国防の観点から必要」が77.3%(前年比0.3ポイント増)で最多だった。
 政府は23年1月、馬毛島の基地本体工事に着手。人や資材、燃料供給の要となる仮設桟橋2基が24年3月までに完成し、工事は急ピッチで進むとみられる。中国やロシア、北朝鮮の軍事的活発化を背景に、県民に容認や一定の理解の広がりがうかがえる。
 意識調査は4月20、21日に行い、1029人から回答を得た。23年は賛成が60.3%で、反対の33.1%を27.2ポイント上回っていた。
 今回の回答は、計画に「賛成」33.4%(同5.7ポイント減)、「どちらかといえば賛成」24.9%(同3.7ポイント増)、「どちらかといえば反対」19.2%(1.1ポイント増)、「反対」15.2%(同0.2ポイント増)、「分からない」7.3%(0.6ポイント増)だった。
 賛成の理由は「国防の観点」のほか、「地域活性化や経済効果が期待できる」11.7%(同3.9ポイント減)、「すでに着工し整備が進んでいる」5.8%(同2.2ポイント増)、「その他」5.2%(同1.4ポイント増)。
 反対の理由は「戦争につながる恐れがある施設」が最多の65.3%(同3.2ポイント増)、「自然環境を守りたい」16.7%(同2.4ポイント減)、「騒音や事故が心配」13.0%(同0.1ポイント減)だった。
 賛否を男女別でみると、男性は賛成68.9%(同2.9ポイント減)、反対28.0%(同2.2ポイント増)で賛成多数だったのに対し、女性は賛成43.6%(同1.6ポイント増)、反対44.7%(同1ポイント減)で反対が上回った。「分からない」と答えた割合も女性は11.8%(同0.5ポイント減)で男性の3.2%(同0.8ポイント増)より多かった。
 年代別では賛成の割合は30代が70.3%で最も多く、40代67.5%、20代65.2%の順。反対は70歳以上42.5%、60代36.3%、50代36.0%と続いた。
 ▽調査の方法=鹿児島県内の18歳以上を対象に4月20、21の両日、固定電話と携帯電話に、コンピューターで無作為に発生させた番号をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施した。自動音声応答通話(オートコール)方式を採用。携帯電話で同意した人にはショートメッセージサービス(SMS)を使い質問に答えてもらった。1029人の回答を得た。性別の内訳は男性626人、女性365人、答えない38人。

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