鹿児島「和牛日本一」 飲食・観光で追い風期待「受賞は起爆剤」「世界へ黒豚とともにPR」 歳暮商品も昨年より増加 全国和牛能力共進会

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城山ホテル鹿児島で使用する鹿児島産和牛のロース肉。ローストビーフにすれば30人分という=10日、鹿児島市

鹿児島を舞台に5日間の熱戦が続いた全国和牛能力共進会(全共)は10日、団体優勝した前回宮城大会でも届かなかった内閣総理大臣賞を獲得し、県勢にとって30年ぶりの悲願をかなえて有終の美を飾った。県産黒牛を取り扱う県内の飲食や小売りなどの業界からは、歓迎と期待の声が聞かれた。
「コロナ禍が落ち着きつつある今、受賞は大きな起爆剤になる」。JA県経済連のレストラン、華蓮鹿児島店(鹿児島市)の今井琢磨フロア主任(46)は声を弾ませた。5年前の団体優勝の後には、わざわざ英国から食べに来た人がいたという。「世界に鹿児島黒牛が日本一だと発信される。県外客には黒豚の方が人気だが、黒牛のおいしさをアピールしたい」
来店した知名町の和牛繁殖農家、川平茂美さん(66)は全共で特別表彰を受けた。せいろ蒸しを注文して「鹿児島の和牛はやっぱりおいしい」と満足げだった。
山形屋(同市)は表彰式の直後、精肉売り場ののぼり旗に「祝 内閣総理大臣賞受賞」の文字を加えた。山口政博食品統括部長(58)は「県産和牛の人気が高まると期待できる」。贈答品の売れ行き増加を見越し、昨年よりも県産和牛の歳暮商品を増やした。「県外から注目されるいい機会。どんどんPRしていきたい」と意気込んだ。
城山ホテル鹿児島(同市)の齊藤宏隆専務(60)は11日から始まる全国旅行支援を視野に「追い風になる。ともに内閣総理大臣賞の鹿児島と宮崎を回遊して味わってほしい」と話す。県産和牛を軸にした食事や宿泊のプランを打ち出しており、徳重慎一郎総料理長(47)は「さらに忙しくなる」と張り切っていた。

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