〈詳報〉全国和牛能力共進会(全共) 「和牛日本一」の鹿児島「産地として日本の最先端走っていく」 団体賞も受賞

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種牛の部で内閣総理大臣賞を受賞した鹿児島県の代表牛=10日午前、霧島市牧園
和牛日本一を喜ぶ鹿児島県関係者=10日午前、霧島市牧園

 和牛日本一を喜ぶ鹿児島県関係者=10日午前、霧島市牧園

 鹿児島県霧島市などで開かれていた第12回全国和牛能力共進会(全共)は最終日の10日、同市のメイン会場で、種牛の部と肉牛の部の最高賞となる内閣総理大臣賞が発表され、種牛の部で4区(繁殖雌牛群)の鹿児島県代表が受賞。前回宮城大会の団体優勝に続き「和牛日本一」に輝いた。県勢の内閣総理大臣賞受賞は、1992年の大分大会以来30年ぶり。肉牛の部は、7区(脂肪の質評価群)の宮崎県代表が獲得した。
 種牛の部で受賞したのは、拵正人さん(62)=湧水町=の「やすこ」、藤山粋さん(47)=霧島市=の「てるはな」、落合新太郎さん(26)=同=の「さき」。審査員からは「雌牛らしい品位に優れ、生き生きとした活力を感じさせる」と評価された。
 藤山さんは「和牛改良は礎をつくってくれた先人たちの歴史の上に成り立っている。地域の次の世代により良い血統を受け継ぎ、産地として日本の最先端を走っていきたい」と話した。
 鹿児島県は特別区を除く5区以上に出品し、全ての牛が優等賞を獲得した道府県に与えられる団体賞も受賞した。
 閉会式には岸田文雄首相が出席。受賞者に賞状とトロフィーを手渡し、「今大会を契機に和牛の改良や飼養管理の改善が進むことで、和牛の魅力や生産性が向上し、次世代に引き継がれることを大いに期待している」と激励した。
 今大会は6日に開幕し、霧島市牧園で種牛の部の審査、南九州市知覧で肉牛の部の審査と競りがあった。41道府県から高校や農業大学校が対象の特別区を含む計9区に438頭が出品された。鹿児島県勢は2002年の岐阜大会と並ぶ過去最多の六つの区で首席に輝いた。
 次回大会は27年に北海道で開かれる。
■「日本一」PRする
 塩田康一鹿児島県知事の話 県勢が大変優秀な成績を収めてくれた。宮城大会以降の「チーム鹿児島」関係者の一丸となった取り組みの成果をうれしく思う。胸を張って「日本一」をPRし、和牛の魅力を県内外に伝える。畜産は県の農業を支える大きな力。鹿児島の「稼ぐ力」の中核として、しっかりと支えていく。

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