米軍機? 毎週夜間に低空飛行、ごう音に住民「静かな夜を返して」 鹿児島市入佐町

鹿児島市入佐町上空を夜間に低空飛行する機体=5月23日午後8時半ごろ(日本共産党提供)

 鹿児島市入佐町上空を夜間に低空飛行する機体=5月23日午後8時半ごろ(日本共産党提供)

(資料写真)米軍のC130輸送機

 (資料写真)米軍のC130輸送機

 鹿児島市入佐町で、夜間に米軍機とみられる低空飛行の目撃や騒音情報が相次いでいる。4月以降は頻度を増やし、毎週のようにごう音を響かせて民家の上空を飛ぶという。住民からは「静かな夜を返してほしい」と不満の声が上がっている。
 記録を続ける住民によると、夜間の低空飛行は2017年ごろから断続的に続き、21年以降は年に20回以上となった。今年は3月まで月0~2回だったが、4、5月は午後7時前から10時過ぎにかけて少なくとも各4回飛来。水曜を中心に、南から北側の日置市方面へ飛んでいくことが多い。夜間でも機体の腹が見えるほど低く、2機が並んで飛ぶ例もあったという。
 米軍輸送機C130Jが入佐町上空を飛行した際のルートは、1月、航空機を追跡する民間ネットワーク「フライトレーダー24」に部分的に表示された。18日には日置、阿久根を通過。同一機かは不明だが、伊佐、小林、都城、志布志近くも飛んだ。また、25日には沖縄から奄美大島近くを通って北上。その後、入佐町付近でレーダーに現れ、熊本県の阿蘇近くまで飛行した。
 5月23日は午後8時半ごろ、日本共産党の市議団と県議団が機体の動画と写真を撮影した。頭上近くを飛び、ごう音を響かせる様子が収められている。
 測量技術を活用し、全国の画像を解析する市民団体「低空飛行解析センター」(岡山県倉敷市)は、飛行高度を約250メートルと推定。市街地での最低安全高度300メートルを下回ったとみる。代表の大野智久さん(75)は「鹿児島の目撃例は特に増えている。行政や議会が抗議することで飛行が止まった例は長野などである。地道に声を上げないと、米軍は好き放題に飛び続ける」と指摘した。
 市危機管理課によると、本年度市に寄せられた低空飛行の目撃情報は16件。松元、郡山地区からが多いという。

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