世界最強の軍用無人機MQ9リーパーを日本に配備

image

米軍の無人攻撃機MQ9リーパーが昨年9月にGBU12ペイブウェイ2レーザー誘導爆弾とAGM114ヘルファイアミサイルなどで武装してアフガニスタン南部上空を飛行している。[写真 米空軍]

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

米軍の無人攻撃機MQ9リーパーが昨年9月にGBU12ペイブウェイ2レーザー誘導爆弾とAGM114ヘルファイアミサイルなどで武装してアフガニスタン南部上空を飛行している。[写真 米空軍]

「沈黙の暗殺者」「空の上の死神」と呼ばれ現存する世界最強の軍用無人機に挙げられる米空軍のMQ9「リーパー」が日本に配備された。情報収集と空中偵察・監視だけでなく、目標物を精密打撃する攻撃能力まで備えたMQ9がインド太平洋地域に配備されたのは初めてだ。台湾海峡で緊張を高める中国と、7回目の核実験が差し迫った北朝鮮を狙った警告メッセージという評価が出ている。
◇MQ9のインド太平洋地域配備は初めて
米インド太平洋軍司令部は26日、鹿児島県の海上自衛隊鹿屋航空基地で23日に米軍第319遠征偵察中隊の発足式とアレクサンダー・ケリー中佐の指揮官就任式を行ったと明らかにした。この部隊では約200人が8機のMQ9リーパーを運用する。今後1年間鹿屋基地に配備され活動する。
米防衛産業事業者のゼネラル・アトミックスが開発したMQ9リーパーは無人機MQ1「プレデター」を改良して作った。重さ4.7トン、最大時速約480キロメートル、航続距離約5900キロメートル、最大上昇高度15キロメートルだ。4発のヘルファイアミサイル、GBU12ペイブウェイ2レーザー誘導爆弾2発などを搭載できる。最大14時間の長時間滞空能力と広範囲な探知が可能なセンサー、精密打撃が可能な武装搭載能力を備え、世界最高の軍用無人機と評価されている。2007年にアフガニスタンに初めて配備された。
インド太平洋軍司令部はMQ9リーパーが「インド太平洋全域で情報・監視・偵察などで(米国と日本が)優先権を持つよう支援するもの。自由で開かれたインド太平洋地域を保障するためのもの」と説明した。米国防総省が発行する軍事専門メディアの星条旗新聞は公式作戦を始めたMQ9リーパーが「今後数週間以内に初めての偵察飛行に出るだろう」と伝えた。続けて第319遠征偵察中隊に配備されたMQ9リーパーは鹿屋地域の住民の不安を考慮し平時には「武装できない」とした。
◇北朝鮮のミサイルと中国の台湾侵攻監視に出る
MQ9リーパーが日本に配備されるという事実はこれに先立ち5月に日本のメディア報道で明らかになった。今回米インド太平洋軍司令部の発表により319遠征偵察大隊がこの任務を引き受けることになったのが新しく知らされた。第319遠征偵察中隊はもともと1942年にニューヨーク州ミッチェルフィールドに基盤を置く戦闘飛行大隊として発足し、組織改編と任務変更の末に1977年に活動が中断された。その部隊が45年ぶりにMQ9リーパー無人機を運用する部隊として再誕生した。
米軍が初めてインド太平洋地域にMQ9を配備して運用部隊発足式と指揮官就任式を広く知らせたのは北朝鮮と中国に対する警告メッセージと解釈できる。米空軍が発行するメディアのエアフォースタイムズは「MQ9は日本を超えて弾道ミサイルを発射した北朝鮮と、台湾侵攻の兆候を含め(インド太平洋地域で)中国が行おうとする軍事活動に対する情報収集の助けになるだろう。必要な時には人道的支援や災害救護など地域問題にも投入できる」と分析した。
北朝鮮と中国は最近インド太平洋地域で軍事的緊張感を醸成している。大陸間弾道ミサイル(ICBM)などさまざまな弾道ミサイルを相次いで発射した北朝鮮は近く7回目の核実験を敢行するとみられる。習近平中国国家主席は22日に閉会した中国共産党第20回全国代表大会で「(台湾に対する)武力使用を放棄しないだろう」と話した。
◇数千キロメートル離れて操縦…イランのソレイマニ司令官射殺
MQ9は米国本土から遠隔で操縦するのに数千キロメートルの距離にある敵国の核心人物を暗殺したことで有名だ。2018年にイスラム国指導者のアブ・バクル・アル・バグダディ容疑者を暗殺したのに続き2020年にはイラン革命防衛隊コッズ部隊のカセム・ソレイマニ司令官を除去して名声をとどろかした。ソレイマニ司令官は当時イラクのバグダッド空港に到着し車に移動しているところをMQ9リーパーの攻撃で爆死した。MQ9リーパーは当時6枚の刃が展開するよう改造した別名「忍者爆弾」と呼ばれるヘルファイアR9Xを発射した。この兵器は車のドライバーはそのままに助手席に乗った人物だけ打撃するほどの精密度を見せたという。

コメント