鹿児島ロケット、再挑戦 改良重ね5号機を28日に打ち上げへ

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鹿児島ロケット5号機と鹿児島ハイブリッドロケット研究会のメンバー=鹿児島大

 今度こそ成功を――。鹿児島大や地元企業などでつくる鹿児島ハイブリッドロケット研究会は28日、鹿児島ロケット(5号機)を1年ぶりに鹿児島県肝付町で打ち上げる。昨年は発射直後にパラシュートが開くトラブルで実験は失敗したが、改良を重ねて再挑戦する。

 5号機は全長2・6メートル、重さ約20キロで構造は4号機とほぼ同じ。昨年3月に打ち上げた4号機は発射直後にふたが外れて格納していたパラシュートが出て、真っすぐ飛ばずに近くの砂浜に落下した。

 このため、今回はパラシュート部分のふたが誤って開かないように2重の安全対策を講じた。順調ならば高度2キロまで上昇した後、2段階のパラシュートで予定海域に着水させる計画。2年前の3号機はロケットが水没してしまったため、機体とデータを無事回収することも目的にしている。

 研究会代表の片野田洋・鹿大大学院理工学研究科教授は「今回はパラシュートが誤って出ないような構造にした」と自信を見せる。

 実験は肝付町との共催。昨年と同じ辺塚海岸で打ち上げるが、一般の見学はできない。当日は周辺を立ち入り禁止にして通行を規制する。

 鹿児島ロケットは、ロケットの開発や打ち上げを通して地域の発展に貢献しようと、研究会が2019年に打ち上げ実験を開始。研究会には第一工科大の学生も加わっている。(仙崎信一)

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