50年たっても入園料500円…鹿児島市・平川動物公園はすごかった コアラも、ホワイトタイガーもいる

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コアラと初対面し「かわいい」を連発する見物客=1984(昭和59)年11月20日、鹿児島市平川町の平川動物公園

ニシチンパンジーが1日に摂取する食べ物がこちら

ニシチンパンジーが1日に摂取する食べ物がこちら

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鹿児島市の平川動物公園は14日、開園から50年を迎えた。1972(昭和47)年に鴨池動物園(鴨池2丁目)から移転し、平川町にオープンした同園は、長年にわたって動物の生活や魅力を発信し続けてきた。同園がたどってきた半世紀の歴史を数字で振り返る。
開園から今年9月までの入園者は延べ2780万人に上る。初年度の1972年度は半年間で約52万人。初めて年間を通して運営した73年度は約77万人が来園した。
年間入園者数がピークを迎えたのは85年度。前年10月にコアラが国内で初めて展示され、その姿をひと目見ようと約90万人が訪れた。
その後、93年度~2010年度までは年間40万~50万人台にとどまっていたが、施設のリニューアルやホワイトタイガーの赤ちゃんが誕生した11年度、約63万人と再び増加した。
最も集客に苦労したのは20年度。新型コロナウイルスの感染拡大でゴールデンウイークを含めた約1カ月間の休園などが影響し、過去最少の約39万人となった。
入園料は、大人100円、子ども(小・中学生)50円でスタートした。5年後の1977年に大人のみ200円に値上げ。それから30年以上は価格を改定せずに運営していた。その後、2009年から始まった施設リニューアルに伴い、11年に大人500円、子ども100円に引き上げた。
開園当初の動物は153種1077点。新設したサル舎にサルの仲間たちがやってきたこともあり、1991年度には186種類1462点と最も多くの動物が暮らしていた。2022年9月現在、135種1053点の動物たちがおり、最も飼育年数が長いのは、トキイロコンドルのサラ(雌)で46年以上。最も多いのは霊長目(サルなど)で22種174点。
「世界のサルゾーン」で飼育するニシチンパンジーには、園内の動物の中で最も多い15種類の食品を1日に与えている。リンゴやバナナといった果物はもちろん、ニンジンや大根などの根菜、キャベツや小松菜など葉物、牛乳やヨーグルトなど乳製品も食べる。多様な食べ物を摂取することでミネラルなど栄養素の欠乏症の予防につながるという。桜井普子飼育展示課長は「自然界ではさまざまな物を食べており、野生の生活に近い食事を与えるように努力している」と話した。
飼育動物の中で最もふんの量が多いのは、「インドの森ゾーン」で暮らすインドゾウ。10日、雄のラウナは1日に100キロ以上のふんをしていた。同園で飼育する2頭のゾウは、体重がそれぞれ約3.5トンと重く、青草など100キロ以上を1日に摂取する。飼育員によると、ゾウは食べ物の消化率がよくないため、食べた食料の多くを排せつしてしまうという。飼育を担当する永峰令子さん(53)は「膨大な量のふんを毎日するため、掃除するのは大変」と苦労を語った。
2016年度から市の指定管理を受けて運営している同園は、管理運営委託料が支払われている。初年度の委託料は約6億円。主に人件費の上昇などで年々増えていき、21年度は約6億6000万円まで増加した。一方、入園料に駐車場、遊園地の遊具使用料を加えた収入は、16年度に約2億円。21年度は約1億6000万円となっている。

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