JR 鹿児島県関係5区間赤字 指宿-枕崎4.9億円、都城-国分4.1億円 九州最大は大分・佐伯-延岡の6.5億円 21年度線区別利用状況

image

【関連表】2021年度の線区別収支(鹿児島県関係分)

image

【関連表】主な路線の輸送密度推移

 JR九州は25日、2021年度の在来線と九州新幹線の線区別利用状況を公表した。1キロ当たりの1日平均利用者数を表す「輸送密度」が2000人未満の区間は収支も公表し、鹿児島関係で該当した4路線5区間は全て赤字だった。輸送密度は、新型コロナウイルスや豪雨災害の影響で落ち込んだ20年度から回復した区間がある一方、19年度比は5区間ともマイナスだった。
 鹿児島関係で輸送密度が2000人未満だったのは日豊線の都城-国分(830人)、肥薩線の吉松-隼人(518人)、吉都線の吉松-都城(397人)、指宿枕崎線の喜入-指宿(1674人)と指宿-枕崎(240人)。20年度に171人だった日南線の油津-志布志は、大雨による運休期間が長かったため数字の発表がなかった。
 20年度比の輸送密度は都城-国分が14%、吉松-隼人は7.9%回復。ただ、19年度比は都城-国分が40.2%減、喜入-指宿が30.4%減など、5区間とも2けたのマイナスだった。
 鹿児島関係の線区の収支で、赤字は指宿-枕崎の4億9400万円が最多。20年度よりは2800万円圧縮した。都城-国分は4億1500万円、吉松-隼人は2億6200万円の赤字だったが、それぞれ2100万円、3200万円改善した。都城-吉松の赤字は3億4100万円で100万円悪化した。
 国は、輸送密度が1000人未満の区間を対象に存続策やバス転換などを検討する協議会を設置する方針。JRの公表を受けて鹿児島県交通政策課は「駅でのイベント助成や誘客キャンペーンなど利用促進策を今後も実施していく」としている。
 JR九州全体で赤字が最大だった線区は、日豊線の佐伯(大分)-延岡の6億5900万円だった。同社担当者は「全体的には回復傾向が見られるが、コロナの影響や人口減少は続いている。経営努力を引き続きしていきたい」と話した。
 九州新幹線(博多-鹿児島中央)の輸送密度は9507人で、前年度比15.4%増だった。
 JR九州は沿線自治体や住民と利用促進策を考えるため、18年度分から利用状況を公表している。

コメント