「マスク越しに見えた踊り手の笑顔。元気もらった」 3年ぶり大ハンヤ 雨にも負けず繁華街にぎわう 24日まで、鹿児島市

2022/04/24 08:30

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参加踊り連全員による総踊りで盛り上がる会場=23日午後4時45分、鹿児島市中町の天文館ベルク広場

 かごしま春祭大ハンヤ2022が23日、鹿児島市内の5会場で始まった。新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催。あいにくの雨となったが、色鮮やかな衣装をまとった出場者の躍動感あふれる舞が、観客を魅了した。24日まで。
 初日は、県内外から14団体約200人が出演。天文館ベルク広場では、学生の「初陣戦」があった。県内外の7大学が熱い踊りで競い合い、大賞に長崎大学「突風」、次点の優秀賞に鹿児島国際大学「よさこい部創生児」が選ばれた。
 JR鹿児島中央駅東口駅前広場で観覧した三雲恵子さん(67)=吉野町=は「雨を吹き飛ばす素晴らしい演技だった」と話した。
 24日は4会場で午前10時から。28団体約400人が参加、大ハンヤ大賞などが決まる。雨の状況次第で会場や日程が変更になる場合がある。
●大学生チーム競演
 鹿児島市の鹿児島中央駅一番街など4会場では、鹿児島、志學館、鹿児島国際の市内3大学が競演。若さあふれる個性豊かなよさこい踊りで観客を魅了した。
 大学生チームは規定で2、3年生しか出られず、全員が初出場。演技前に「祭り自体が大学生活で初めて」と緊張した様子だった鹿児島志學館大「YOSAKOI踊り連我流樂(かるら)」の福迫和真代表(20)は、「存分に練習の成果を発揮できた」と話した。鹿児島大「よさこいサークル隼人」の6人は息のそろった舞を披露。川越日香里代表(20)は「地元の人たちに見てもらえてうれしい。観客を笑顔にしたい」と意気込んだ。
 鹿児島国際大「よさこい部創生児」の浜村和璃(あいり)代表(20)は「お客さんの前で踊るのは楽しい。最初で最後かもしれない祭りを悔いのないようにしたい」と語った。
●飲食店にエール
 天文館G3アーケードでは、鹿児島市社交業組合のメンバーが審査に当たった。九州内の6大学のサークルが出演。新型コロナウイルスに苦しむ飲食業にエールを送るような力強い演舞に、飲食店主らは「元気をもらった」「コロナに負けない」と決意を新たにした。
 新型コロナの影響で大ハンヤが中止となったこの2年間、南九州一の歓楽街、天文館の飲食店も客足は遠のいた。出演した大学サークルは、元気いっぱいのかけ声をアーケード内に響かせ、天文館をもり立てた。
 手拍子をしながら見入った谷川麻奈美理事長(37)は「マスク越しにも踊り手の笑顔が見えた。コロナで大変な時代だが、学生と同じような笑顔で接客して天文館を盛り上げたい」と話した。

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