「軽トラは田舎に不可欠。乗るしかない」 ダイハツがシェア6割の鹿児島、農家もディーラーも困惑

ダイハツ製の軽トラックから荷下ろしする所有者=22日、伊佐市大口里

 ダイハツ製の軽トラックから荷下ろしする所有者=22日、伊佐市大口里

 ダイハツ工業が出荷停止した車種には軽トラックが含まれている。同社はスズキと国内の軽トラ市場を二分する大手。鹿児島県内でも農業や物流など暮らしを支えており、ユーザーは「乗るしかない」と話す。出荷再開の見通しは立っておらず、今後の販売動向を注視している。
 ダイハツ製の軽トラを扱う県内のある自動車販売店には、購入者から安全面などに関する問い合わせが相次いでいる。担当者は「メーカーから回答を待っている状態で答えようがない。顧客には農家が多く、かなりの台数を扱っているので影響は大きい」と困惑した様子だった。
 全国軽自動車協会連合会の調査によると、2022年度に県内で販売された軽トラのうち、ダイハツ製は2866台と63%を占めた。昨年、中古で購入した伊佐市の吉永昭夫さん(81)は「田舎ではどこの家もたいてい軽トラを持っている。安全性は気になるが、ないと不便なので乗るしかない」と話す。
 全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会(東京)は、今回の措置の対象になっているスバルの「サンバー」を使用。県内では軽ワゴンも含め約90台が稼働している。年末年始や来春の引っ越しシーズンとこれから繁忙期を迎えるが、特別仕様車のため出荷停止が長期化すれば買い換えられない恐れがある。担当者は「影響は甚大になるかもしれない。今後の対応方針を検討していく」と話した。

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