【馬毛島基地工事】作業員宿舎を島内に3000室超設置へ 看護師も常駐 防衛省方針 「種子島に迷惑かけない」

訓練基地建設が着工した馬毛島。画面奥は種子島本島=西之表市の馬毛島(本社チャーター機から撮影)

 訓練基地建設が着工した馬毛島。画面奥は種子島本島=西之表市の馬毛島(本社チャーター機から撮影)

 鹿児島県西之表市馬毛島で進む米軍機訓練移転を伴う自衛隊基地整備を巡り、防衛省は10日、同島に計3000室以上の工事作業員らの仮設宿舎を設置する考えを明らかにした。医療体制確保のため、看護師も常駐させる方針。基地工事は1月12日に着手しており、従事する関係者は「数千人規模」「ピークは1年〜1年半後」との見通しを示した。
 基地整備計画の環境影響評価(アセスメント)に関する市議会への説明会で報告した。「事業者として種子島に宿泊施設を建設する計画はない」とし、種子島に滞在している工事関係者を順次、馬毛島の仮設宿舎に移すとした。現時点の基地工事の従事者数は「多岐に渡っており、答えられない」と明言を避けた。
 市議からは工事中の馬毛島での医療体制について質問があり、同省は「常駐の看護師が医療機関からリモートで指示を受けて対応する」などと回答した。「既に西之表市の医療機関と連絡態勢を構築している」とする一方、緊急時の搬送方法は言及しなかった。
 説明会は1時間半。同省の原田道明参事官は終了後、取材に「種子島にできるだけ迷惑をかけないよう、関係自治体と連携して住民の不安を解消していきたい」と話した。
 市議会は2021年9月、基地整備計画に関して「速やかな説明」を求める意見書を国に提出。以降、防衛省による市議会への直接説明は今回を含めて3回目あり、いずれも報道陣に公開している。

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