【鹿児島の芋焼酎「伊佐美」】素朴さと力強さを兼ね備えた逸品、元祖プレミアム焼酎の秘密に迫る

【鹿児島の芋焼酎「伊佐美」】素朴さと力強さを兼ね備えた逸品、元祖プレミアム焼酎の秘密に迫る

出典 : K321/ Shutterstock.com

「伊佐美」は本格焼酎ブームが巻き起こる以前から“幻の焼酎”と評されていた、プレミアム焼酎の草分け的な銘柄。長年、愛されてきた秘密は、「伊佐美」一本に情熱を注ぎ続ける蔵元のこだわりにありました。

「伊佐美」一銘柄だけを大切に育む、こだわりの酒蔵

「伊佐美」一銘柄だけを大切に育む、こだわりの酒蔵

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「伊佐美」が生まれた鹿児島県伊佐市は、焼酎発祥の地として知られています。伊佐地方の夏は雨量が非常に多く、冬季は「鹿児島の北海道」と呼ばれるほど冷え込むものの、内陸盆地ならではの気候は焼酎造りに適しており、多くの蔵元が焼酎造りに励んできました。麹の原料となる米作りもさかんで、おいしい水にも恵まれたこの土地で育まれる焼酎は、「芋焼酎」でも「薩摩焼酎」でもなく、「伊佐焼酎」と呼ばれることもあるのだとか。
数ある伊佐焼酎のなかでも、とくに注目されているのが、甲斐商店が造る「伊佐美」です。甲斐商店は、明治32年(1899年)の創業以来、この銘柄だけに情熱を注いできた、こだわりの焼酎蔵。
長年にわたって貫いてきた伝統の製法と、厳選素材が育むこの芋焼酎は、空前の焼酎ブームが到来する以前から、多くの人々に愛されてきました。

「伊佐美」を生んだ、長年守り抜かれた伝統の製法

「伊佐美」を生んだ、長年守り抜かれた伝統の製法

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「伊佐美」のおいしさの理由は、長年受け継がれてきた製法からも読み取ることができます。麹は麹蓋による手造りで、白麹が一般的とされていた時代から、一貫して黒麹にこだわってきました。
仕込みにはホーロータンクを使わず、昔ながらの「甕(かめ)仕込み」で行います。
素材に対するこだわりもひとしおです。水や米はもちろんですが、原料のサツマイモ「コガネセンガン」は質と鮮度を重視し、仕込み自体を芋の収穫期である9月から翌3月の間に限定するという徹底ぶりです。
人の手でていねいに、手間暇かけて仕込まれるため、需要に生産が追いつかず、入手困難になるのは仕方がないこと。それでも人気が衰えないのは、「伊佐美」が醸し出す素朴な風味や、黒麹仕込みならではの力強い味わい、バランスのよいコクと甘味がファンを魅了しているからにほかなりません。

「伊佐美」のおいしい飲み方

「伊佐美」のおいしい飲み方

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「伊佐美」のおすすめの飲み方は、お湯割りまたはロック。お湯割りにすると、ほのかな芋の香りが立ち上がり、口に含めば芋の甘味がふんわりと広がります。
一方、ロックで飲むと、芋の香りはやや軽くなるものの「伊佐美」ならではのとろりとした口当たりや、なめらかなのどごし、スッキリとした味わいが際立ちます。
「伊佐美」は芋焼酎らしい素朴さと、黒麹仕込み特有の力強さを兼ね備えた逸品です。昔から変わらないバランスのよい味わいを堪能してください。
製造元:合資会社甲斐商店
公式サイトはありません

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