もうすぐ全共!優勝目指し意気込む畜産会社こだわりの飼育法とは? 鹿児島県鹿屋市

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10月6日から、5年に1度の「和牛のオリンピック」、全国和牛能力共進会(全共)が鹿児島県で開かれます。県代表として大会に出場する大隅半島・鹿屋市の畜産会社のこだわりの飼育法と直営の焼き肉店を、春山記者が取材してきました。
いきなりですが、こちらの牛。座り方もお殿様のようで、貫禄十分ですが、10月に行われる「全共」に県代表として出場する南迫(みなみさこ)です。
出場するのは肉質を審査される部門で最大の激戦区です。
和牛の魅力とおいしさを追求するため大きなかぎを握るのが牛の「育て方」です。南迫は、生後10カ月から鹿屋市にある農場「うしの中山」で育ちました。
この農場では約5000頭の牛が飼育され、最先端の設備と人の目で一頭一頭厳しく牛の品質が管理されています。
1カ所で5000頭を飼育するのは、県内でもトップクラスの大きさです。
柱には「出水」や「徳之島」など牛たちの出身地が書いてあります。
「鹿児島県一丸となっておいしい牛をつくりたい」と、この農場では市場で競り落とした県内各地の子牛が育てられています。
牛舎をのぞいてみると、「快適に過ごせるように」と、たくさんの工夫が詰まっていました。
通常は、牛が3頭入れる場所を、2頭で使わせ、牛に広々としたスペースを提供。
牛舎に固定されたブラシは、かゆみに弱い牛たちが好きなときに好きなだけ背中をかけるように置かれたものです。
暑さをしのぐミストシャワーは、粒子の細かさにとことんこだわりました。牛がストレスなく過ごせるのも品質向上のためにはかかせません。
うしの中山・坂本晃汰場長
「社長は、設備投資した分は牛が返してくれるという考え方なので、設備投資は惜しまない」
牛たちの食事も、最高においしいらしいです。飼料は、20種類以上の穀物が配合され、ゴマと大豆は火で炒る手間のかけようです。
坂本晃汰場長「その牛の能力を最大限に引き出す考えで管理します。うちの特長は脂。等級に限らず、おいしさで勝負したいので、そこの管理にはこだわっている」
農場では、こだわり抜いた自慢の肉を多くの人に食べてもらいたいと、2017年、地元鹿屋市に焼き肉店を出しました。
スライスした肉の断面には細かすぎるほどのサシ。融点も低く、室温でもあっという間に溶けてしまう極上の脂は、口の中に入れるとあっという間に溶けてなくなります。
育てた農場の努力はもちろん、種牛の確立から、子牛の生産まで、畜産関係者が長年苦労して作り上げた鹿児島の宝です。わさびを付けて頂きました。
春山たかよ記者
「やわらかさはもちろん申し分ないのですが、肉の味の濃さに驚きました。脂もものすごく甘かったです」
特選ランチは、2500円(税込)。味もボリュームも大満足でした。
うしの中山・荒木真貴専務「香りがいいというのと甘さが口いっぱいに広がるのが弊社の肉の特徴だと思います。(全共では)ぜひ優勝を取りますので、皆さんもみててしい」
鹿児島では、たくさんの生産者が試行錯誤を繰り返しながら「おいしい」を生み出しています。10月、鹿児島で開催される5年に1度の「和牛オリンピック」、全共。これを機に改めて、鹿児島黒牛の魅力を感じてみませんか?

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