ガソリン価格 1年ぶり180円台の高値水準 「満タン無理」「価格転嫁できない」高騰に驚き 鹿児島県内

生活必需品のガソリン。価格高騰の中でも給油に訪れる客は絶えない=13日、鹿児島市郡元1丁目のエコスタンド工学部前店

 生活必需品のガソリン。価格高騰の中でも給油に訪れる客は絶えない=13日、鹿児島市郡元1丁目のエコスタンド工学部前店

 レギュラーガソリン価格の値上がりが続いている。鹿児島県(離島含む)の1リットル当たりの平均小売価格は10日時点で180.6円となり、約1年ぶりに180円を超えた。消費者からは生活への影響を懸念する声が聞かれた。
 鹿児島市の給油所を訪れた同市の牧山雄太郎さん(34)は「レシートを見るとリッター当たり20円くらい高い印象」と驚きを隠せない。満タンにせず金額を決めて給油するようになったといい「車を使わないわけにはいかない。もう少し安くなってほしい」と願う。
 鹿児島市役所内の広場で13日、カレーのキッチンカーを出店していたエリカレー(同市)の石原江利香オーナーも下がる気配のないガソリン価格に不安をのぞかせる。平日は同市役所のほか、姶良市や薩摩川内市など県内各地を車でまわる。最近は土、日曜のイベントも増えており、ガソリンの使用量が多いという。車内の保温ジャーで使う電気もガソリンを使った発電機が必要だ。
 ただ、コスト上昇分の販売価格への転嫁は難しい。新型コロナウイルス禍で新規参入するキッチンカーが増え、競合が多くなったほか、コンビニ弁当の価格も意識しなくてはならない。「価格を上げると客足が遠のいてしまう」と頭を悩ませる。
 石油情報センター(東京)は「主要産油国の減産継続など上昇要因に加え、為替も不透明。価格抑制のために石油元売り会社へ支給する政府の補助率は段階的に縮小して9月末には廃止されるため、値上がりは続くのでは」と見通す。

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