一本釣り生鮮カツオ水揚げ、鹿児島市が初の日本一 全国的不漁が影響

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屋久島近海で一本釣りされた生鮮カツオを手に「ぜひ鹿児島市民に鮮度の良いカツオの刺し身やたたきを食べていただきたい」と話す鹿児島市中央卸売市場の関係者=2023年2月20日午後0時4分、鹿児島市、冨田悦央撮影

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鹿児島県近海でのカツオの一本釣り漁=九州中央魚市提供

鹿児島市が2022年、一本釣り生鮮カツオの水揚げ量で日本一になった。全国の主要漁港の水産物流通量などを調べる漁業情報サービスセンター(東京)によると、同市が1位になったのは初めてという。昨年は全国的に不漁で、初ガツオの主漁場が奄美・沖縄周辺海域に限られたことが鹿児島港(同市)での水揚げが増えた要因だ。

 同センターの集計で、22年に一本釣り漁船が釣り上げた生鮮カツオの水揚げ量は、1位が鹿児島市で7898トン(前年6430トン)、2位は宮城県気仙沼市7484トン(同2万1104トン)、3位は千葉県勝浦市7214トン(同7924トン)だった。巻き網漁船で取ったカツオも合計すれば26年連続で気仙沼市が全国1位の水揚げ量を維持したが、一本釣り部門では前年3位だった鹿児島市がトップに躍り出た。

 鹿児島市中央卸売市場の魚類市場関係者は、一本釣り生鮮カツオの水揚げ量初の日本一を喜ぶ一方、「多くが高知や東京、関西など県外での消費に回っている」と指摘する。総務省家計調査(2人以上)によると、県庁所在地と政令指定都市のカツオの消費量は、鹿児島市が36位(20~22年の平均値で1年当たり686グラム)で、1位の高知市(同4182グラム)の6分の1。全国平均(同821グラム)よりも少ない。

 市場の担当者は「種子島屋久島周辺などで釣れたばかりのカツオは鮮度抜群でモチモチした食感。初ガツオの旬を迎え、鹿児島市の人にぜひ食べてほしい」と話している。(冨田悦央)

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