人口の1割弱…「買い物弱者」14万人 県が初調査、34%が困難地域 鹿児島

〈資料写真〉公共交通不便地で運行する「あいばす」=鹿児島市西谷山1丁目(同市提供)

 〈資料写真〉公共交通不便地で運行する「あいばす」=鹿児島市西谷山1丁目(同市提供)

【表】買い物弱者パターンごとの人口割合が一目で分かる

 【表】買い物弱者パターンごとの人口割合が一目で分かる

 鹿児島県は26日、買い物弱者の状況調査結果を公表した。県内1万343カ所のうち、高齢者の割合が多く、食料品や日用品の店舗が少ない「買い物困難地域」が34.7%の3588カ所を占め、買い物弱者の人口は全体の9.3%に当たる約14万人に上ることが判明した。山間部やへき地に多い現状を浮き彫りにした。
 県が買い物弱者について県内全域で調査したのは初めて。同日の県議会総合政策建設委員会で説明した。
 調査は4~9月に実施。人家がある地域を500メートル四方に区切った1万343カ所を、65歳以上の高齢者の人口割合や小売店舗の数を基に六つのパターンに分類した。パターンごとに色分けし、市町村別に「買い物アクセスマップ」も作成。買い物が比較的容易な地域は自治体の中心部が多くなっている。
 買い物が最も困難とされた「高齢者の割合が75%以上で店舗数0」の人口割合は1.1%。これに次ぐ「高齢者の割合が75%以上で店舗数1、または高齢者の割合が50%以上75%未満で店舗数0か1」は8.2%だった。両パターンを合わせた「買い物困難地域」の人口割合は9.3%に上った。
 県は住民や買い物支援サービス事業者を対象にしたアンケート結果も提示。計2714件が答え、買い物が困難な両パターンでは、他と比べて買い物の頻度が「週1回程度」の割合が多かった。市町村などが行っている送迎サービスは回答した住民の約30%が地元での提供を知っていたものの、利用者は両パターンを中心に全体の1.6%にとどまった。
 地域政策課は市町村が乗り合いタクシーや買い物バスの運行といった施策を打っているとしながらも、「サービス提供の情報を住民にもっと周知する必要がある」と指摘。「ニーズを引き上げ、(市町村を)後押ししていくことが重要だ」とした。県は今後必要な施策を検討し、来年度予算に反映させる方針。

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