今年既に3人死亡…全国から釣り人が訪れる鹿児島の人気エリアで事故相次ぐ 共通する状況とは

2022/06/03 08:27

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甑島のナポレオン岩

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釣りの事故に備えた腰に着ける救命胴衣やスマートフォンの防水ケースなど=いちき串木野市の串木野海上保安部

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事故に備えて着用する救命胴衣の例=いちき串木野市の串木野海上保安部

 鹿児島県の海域で今年、釣り客の転落など死亡事故が相次いでいる。いずれも串木野海上保安部管内で、5月までに3人が死亡。管内の過去5年間で最多だった2020年と同数になった。串木野海保は救命胴衣の着用の徹底など注意を呼び掛けている。
 薩摩半島西岸や甑島(薩摩川内市)、宇治群島(南さつま市)は魚が集まる場所が多く、大勢の釣り人が訪れる。人気ポイントには急傾斜や狭小な所があり、足場が安定している岸壁や防波堤でも、ロープなどにつまずき海に落ちるケースがあるという。
 串木野海保によると、今年は5月までに死者3人を含む4件の事故が発生。全て1人で行動し、救命胴衣は未着用だった。3件は海上風警報が出ていた。17~21年の事故の9割も海への転落で、多くは救命胴衣を着けていなかった。
 同交通課は対策として(1)天気予報や体調を考慮し無理をしない(2)単独行動を避ける(3)釣りの計画を第三者に伝えておく(4)立ち入り禁止区域に入らない-と指摘。携帯電話を防水ケースに入れるなど事前準備も必要としている。
 福留由人専門官(54)は「ライフジャケットを携行しても、着用しない人もいる。自分は大丈夫と思わず、気をつけながら釣りを楽しんでほしい」と話した。

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