住民から再び憤りの声 出水市のため池汚染問題で県が文書で回答・鹿児島県

image
image
image

鹿児島県出水市で2022年発生した、高病原性鳥インフルエンザの殺処分で近くのため池が汚染された問題を巡り、住民への回答期限となる15日、県が住民に説明を行いましたが、県は現在の状態では補償を行わないなど、これまでの方針と変わらない姿勢を示し、住民との協議はもの別れに終わりました。
出水市野田町では、高病原性の鳥インフルエンザが発生した養鶏場で殺処分されたニワトリなど約930トンが埋められた場所の近くの農業用ため池が汚染され、発覚から5カ月以上が経過した現在も、問題の解決に至っていません。
これまで住民と県は、池の水を利用する農家への補償などについて5回にわたって協議の場を設けましたが、県は「水質検査の数値に問題は無い」などとして補償を行わない方針を示していました。
15日は、5月10日に実施された塩田知事による現地視察も踏まえた上で、県からの回答が示されましたが、農家への補償や悪臭被害などを含め、現在の状況では補償を一切行わないとする、これまでと変わらない回答に住民からは憤りの声が相次ぎました。
住民
「関わる住民が多くいるのに、『ここに埋めます』と最初になぜ説明しないのか」
「実害が出た時は『補償します』としないといけない。『検討します』ということはしないということでしょ。これは変えて下さい。知事に言って」
鹿児島県農政部・大平晃久次長
「繰り返しになるが、今の水の状況は基準値の範囲内なので、ぜひ水稲の作付けをお願いしたい。そして、仮に何かあった時にはしっかり対応する」
県は今回の回答があくまで現状での判断で、今後の状況に応じて随時、検討は行うとしながらも、今回も住民と県の協議はもの別れとなりました。
鹿児島県農政部・米盛幸一部長
「今後も担当部局ともコミュニケションを取りながら進めていきたい。ご要望があったことも含めて丁寧に回答していきたい」
下餅井自治会・山口敬次会長
「もう少し行政も誠意を持って、理解をしてもらって対応してもらいたい」

コメント