地方の金融機関が異例のタッグ…スマホ決済アプリ「Payどん」、南銀・鹿相信でも10月から利用可能に 開発者の鹿銀と合意

鹿児島銀行新本店ビル=鹿児島市金生町

 鹿児島銀行新本店ビル=鹿児島市金生町

 鹿児島銀行(松山澄寛頭取)が開発したスマホ決済アプリ「Payどん」を活用したキャッシュレス事業に、南日本銀行(斎藤眞一頭取)と鹿児島相互信用金庫(永倉悦雄理事長)が加わることになった。キャッシュレスの普及や地域内の資金循環の促進へ、10月の運用開始を目指す。
 Payどんは2019年5月にサービスを開始。アプリを口座とひも付けることで、口座からの引き落としや電子マネーのチャージによる支払いができる。今後は決済や加盟店の売上金入金に使う口座を、南銀や鹿相信からも選べるようになる。
 運用は鹿銀が担い、南銀と鹿相信は鹿銀に諸経費を支払ってシステムを利用する。それぞれ窓口などでアプリの利用を呼び掛け、加盟店手数料は条件に応じて各行庫へ案分する予定。
 17日、鹿児島市の鹿銀本店別館ビルに3行庫のトップが集まり、基本合意書を締結した。会見した鹿銀の松山頭取は会員数や決済額の倍増を目指すとし、「地域内で資金を循環させることで、地域経済を活性化したい」と意気込んだ。
 南銀の斎藤頭取は「他のサービスに比べ事業者のメリットも大きい。地域通貨として一緒に育てていきたい」。鹿相信の永倉理事長も「独自の開発が厳しかった中、門戸を開いてくれた。共に鹿児島を盛り上げていければ」と期待した。県内の他金融機関にも事業への参加を呼び掛けていく。
 2月末現在、Payどんの会員数は10万8048人、加盟店は県内1万919店舗。月間決済額は5億円を上回る水準で推移する。自治体などの地域振興券も取り扱い、22年度は16事業を受託した。

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