東大と連携、鹿児島初の植物病院がオープン 病害虫防除へ本土最南端の“とりで”に JA県経済連

植物病院の開院を祝いテープカットする関係者=3日、鹿児島市与次郎2丁目

 植物病院の開院を祝いテープカットする関係者=3日、鹿児島市与次郎2丁目

植物病院には遺伝子検査や外観診断用の機材や試薬をそろえている=3日、鹿児島市与次郎2丁目

 植物病院には遺伝子検査や外観診断用の機材や試薬をそろえている=3日、鹿児島市与次郎2丁目

 JA鹿児島県経済連は3日、鹿児島市与次郎2丁目の食品総合研究所内に、東京大学植物病院と連携した県内初の植物病院を開院した。世界的な気候変動や気象災害の発生により農作物への病害虫の侵入リスクが増す中、本土最南端の“とりで”として早期発見・防除につなげる狙い。
 業務内容は、病害虫の外観診断や遺伝子検査、薬効試験のほか、ドローンを活用した農場の画像解析、研修や講習会も実施する。院長の植物医師と職員の2人体制で、週2日程度、午前9時~午後4時に開く。組合員以外も利用でき、各JAを通じて診断を依頼する。遺伝子検査は有料。
 PCR装置や生物顕微鏡をはじめ遺伝子検査や外観診断に使う機材、試薬を約1900万円かけてそろえた。迅速に診断するため、県や国の関係機関、全国に5カ所ある植物病院とも連携する。
 同日のセレモニーで関係者20人余りが院内を視察した。徳永太藏院長(62)は「全国の植物病院と連携し早急に対策することで、農家の収益力向上につなげたい」と意気込んだ。

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