気兼ねなく飲める、はしごできる…焼酎タクシーで7つの蔵巡り、観光客の評判上々 南さつま

タクシーのツアー客を歓迎する宇都尋智さん(左)曜子さん=南さつま市加世田益山

 タクシーのツアー客を歓迎する宇都尋智さん(左)曜子さん=南さつま市加世田益山

雰囲気のいい石蔵で居酒屋風のおもてなし=南さつま市加世田益山

 雰囲気のいい石蔵で居酒屋風のおもてなし=南さつま市加世田益山

 タクシーを利用して鹿児島県南さつま市の七つの焼酎蔵元や観光地を巡る焼酎タクシーに、市観光協会が取り組んでいる。レンタカーの旅で運転席の1人が試飲できない難点が解消され、焼酎ファンに人気。七蔵の魅力発信へ“発車オーライ”だ。
 タクシー会社と契約しコースを設定した。焼酎神をまつる竹屋神社の宮原ふれあい館は全国の銘柄約2000本をそろえ、七蔵を含めた焼酎の試飲ができる。焼酎づくり伝承館杜氏の里笠沙で再び試飲。酔いざましに景色がいい亀ケ丘、物産館ふるさとくじら館も回る。
 観光客の最大の目当ては蔵元との交流だ。加世田益山の宇都酒造では宇都尋智代表(44)、曜子さん(44)夫婦が、関東から訪れた40代の友人同士の2人を、一升瓶を片手に出迎え、石蔵で居酒屋風にもてなした。
 黒ぢょかでお湯割りをたしなみ、おちょこが空くと宇都代表が手早くお酌。地元特産をつまみに水割り、炭酸割りと杯を重ね、焼酎談義に花が咲いた。ほろ酔いの2人は「気兼ねなく飲めた。味わい深い旅になり満足」と土産の焼酎を購入しタクシーに乗り込んだ。
 同協会によると、コロナ下で団体旅行を避けレンタカーなど少人数で旅する傾向が依然続いている。宇都代表は「焼酎工場の見学に来ても運転する人に遠慮して試飲を控えるのがネックだった。飲酒の交流があれば砂の祭典など地元をPRできるし、七蔵の味を知ってもらう機会も増えそう」と期待した。1日と半日コースがある。

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