特養になかなか入れない…。特養の種類と入れない場合の対策を教えて!

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「親が要介護状態になったが、家族では介護しきれない」といったケースは決して珍しくありません。そんなとき頼りになるのが、「特別養護老人ホーム(特養)」です。
しかし、特養は「なかなか入れない」「順番待ちが100人以上いる」といったネガティブなイメージもあるようです。本記事では、特養の種類やなかなか入れないといわれる理由、特養に入れない場合の対処法を紹介します。

特養の種類とそれぞれの種類を解説

「特養」とは「特別養護老人ホーム」の略で、要介護3以上の高齢者や、要介護認定を受けていなくても、自立した生活が困難な65歳以上の高齢者が入居できる、公的な介護保険施設の一種です。「介護老人福祉施設」ともいい、基本的に入所のための初期費用が不要で、月々の費用も低く抑えられています。
民間の老人ホームに入るよりも費用がかからないので、要介護度が高い高齢者の介護を家族で行えない方々に人気です。本項では、特養の種類とそれぞれの特徴を紹介します。

広域型特養

広域型特養とは、どの居住地からでも申し込みができる、定員が30名以上の施設です。一般的に特養というと、広域型特養を指します。日本中どこからでも応募ができるので、東京在住の方が、神奈川や埼玉の施設に申し込むことも可能です。
広域型特養は人気があるため、基本的に要介護3以上の高齢者しか入居できず、施設によっては100人以上の「入居待ち」が出ている施設もあります。そのため、早く入居できる施設だからと、家から遠い所へ入所するケースも珍しくありません。

地域密着型特養

地域密着型特養とは、定員が29名以下で地域に住んでいる方しか入れない特養です。「サテライト型」と「単独型」という2つの形態があります。
サテライト型とは、広域型特養が本体で、地域密着型特養は付属施設といったタイプです。単独型とは、本体施設を持たない施設で、よりアットホームな雰囲気が特徴です。サテライト型のほうが「広域型特養の付属施設」のため、人員配置や設置の基準が比較的緩く、数が多めです。

地域サポート型特養

地域サポート型特養とは、住宅で療養する要介護度の高い高齢者に対してサービスを提供する特養です。24時間365日の見守り体制を敷き、高齢者に万が一のことがあってもすぐに対処できるようにしています。
地域サポート型特養は、介護認定を受けていないけれど自立した生活が困難な65歳以上の高齢者も利用可能です。また、独居者だけでなく、家族と同居しているけれど日中は仕事などで不在、といった場合も利用できます。

特養に入れない場合の対処法

日本の高齢者は年々増加しており、要介護者も増え続けています。家族がいない、もしくはいても頼れないといった方も多く、特養への入居希望者も増える一方です。地域によっては、100人以上の待機者がいる施設もあります。
ここでは、特養に入居を希望しているものの、なかなか入れない場合の対処方法を紹介します。特養に家族が入れず、悩んでいる方は参考にしてみてください。

地域包括支援センターへ早めに相談する

地域包括支援センターとは、各自治体が設置主体になっている高齢者のサポートを目的とした総合相談窓口です。保健師をはじめ、ケアマネジャーや社会福祉士といった介護の専門家が在籍して、各種相談に乗ってくれます。
介護は、がんばりすぎると介護する方、介護される方両方に重い負担がかかって長続きしません。家族だけの介護が大変になってきたら、早めに相談しましょう。そうすれば、早めに待機者に加えてもらいやすくなるでしょう。

ショートステイを利用して家族の消耗を防ぐ

ショートステイとは、要介護の高齢者を短期間、預かってくれる施設の総称です。要介護の高齢者を家族では介護しきれないが、特養に入れるまでに時間がかかりそうな場合は、複数のショートステイを利用し、家族の消耗を防ぐのが効果的です。
短期間でも家族の負担がなくなれば、体力や気力も回復しやすくなります。特に、要介護者が夜中に何度も起きるので介護者が眠れない場合は、介護者のほうが先に参ってしまいがちです。できるだけ早くショートステイを利用しましょう。

状況や介護度の変化はこまめに報告する

担当のケースワーカーや施設へ、要介護者の状況を小まめに報告しましょう。介護度は、一気に上がることもあります。情報が古ければ、いつまでたっても「要介護度が低い」と判断されてしまうかもしれません。
また、介護する方が体調不良など、要介護者の健康や生活を維持できない場合も、できるだけ早く報告しましょう。緊急度が高い場合は、例外的に施設入所が認められるケースもあります。

情報を収集しつつ施設に働きかけていこう

特養にできるだけ早く入所できるかどうかは、情報の収集力や家族の行動力が重要です。にっちもさっちも行かなくなってから動いても、すぐに特養に入れるケースはまれでしょう。要介護1~2のときから特養の情報を集め、入所希望ならば早めに相談をして待機者の中に加えてもらいましょう。
また、無理せず介護を続けるためにも、待機中は利用できるサービスはフル活用して、介護する方の消耗を防ぐことも大切です。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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