長渕剛 2025年桜島ライブやる!04年以来2度目、「人生のラスト」と覚悟示す

大阪城ホールで全国ツアー最終公演を行った長渕剛(Photo by Hayato Ichihara)
大阪城ホールで全国ツアー最終公演を行った長渕剛(Photo by Hayato Ichihara)

 シンガー・ソングライターの長渕剛(67)が、2025年10月に故郷の鹿児島・桜島で“ラストステージ”を行う計画をぶち上げた。28日までにスポーツ報知などの取材に応じ、「自分の人生のラスト。長渕剛として生ききる上でのラスト」と説明。7万5000人動員の桜島でのオールナイトライブ(04年)から21年後、再びアーティスト生命を懸けた決死の戦いに挑む。(加茂 伸太郎)

 覚悟を決めた表情だった。ひと呼吸置いた後、長渕は「2年後の10月、ラストステージ桜島、やります」と宣言した。

 04年以来21年ぶり、2度目の桜島ライブは音楽人生の集大成になる。「自分の人生そのもののラスト…という覚悟ですね。命も含めて。長渕剛として生ききる上でのラストということですね。銭、金じゃないものがあるんだよ、オマエら!と。先のことは全く考えていない。それほどの決意を持ってやる」

 1978年10月に「巡恋歌」でデビューし、45周年を迎える。最近ふと考える生と死。「人間にはデッド(死)があり、限界がある。限界値を超えてきたこの何十年だけど、本当の限界値がまもなくやって来る」と吐露。「人間が一生懸けてできることって、たかが知れている。その中で、自分の命を懸けて何を残したいか。最後のエネルギーをどこに使うべきか。オーディエンスと何に使うべきか」

 自問自答し続けた結果、導き出したのが「アジアが1つになること」。その究極のゴールが桜島ライブだった。「前回の桜島で、日本の国旗と韓国の国旗が同じ客席で舞っていた。その景色が焼き付いていてね」

 桜島ライブの前には韓国やベトナム、インドネシアを回る自身初のアジアツアーの構想も掲げる。来年早々に海を渡り、アジア各国のミュージシャンに会い、共闘を呼びかける。

 「政治では越えられない国境が、歌はいとも簡単に越えていく。これが音楽が織り成す力だと。音楽の力、歌の力は人と人の絆、人と人の心をつなぐんだと。(桜島は)生命力の根源たるパワースポット。(賛同した)アジアのミュージシャンたちも桜島に呼んで。世界平和を考えるような、音楽で1つになる祭典になればいい」

 詳細は「まだ何も決まっていない」が、オールナイトライブと同等の規模で日中に開催予定。「夕暮れ」がテーマの1つになる。「親子3世代が来られるように。(動員は)5万人以上。鹿児島市、鹿児島県、国の協力を得て一大イベントにしたい。これから現地(=鹿児島)に行って交渉し、お話しさせてもらうつもりです」

 この日は大阪城ホールで全国ツアー「2023 OH!」(14か所20公演)の最終公演を行った。9500人を前に「桜島 SAKURAJIMA」や「乾杯」「とんぼ」など20曲以上を熱唱。“ラストステージ”に向けて「49歳で桜島、59歳で(10万人動員の)富士山麓ライブをやった。今度の目的は(アジアが)本気で1つになること。みんなで一緒に実現したい。力を貸してくれ!」と呼びかけた。2年後、ふるさとで完全燃焼する。

 〇…ラグビーW杯の日本の1次リーグ初戦・チリ戦では日本チームがリクエストし、試合前に「とんぼ」、試合後に「乾杯」がフランスのスタジアムに流れた。長渕は「友人から『大変なことになっているぞ』と。うれしかったですね」と笑顔。「これまでもアスリートの人たちが人生歌として聴いたり歌ったりしてくれた。(『とんぼ』『乾杯』が)戦う人たちの心の中に突き刺さって、連帯を醸し出す歌として名を上げてくれた。(日本代表が)異国の地で歌ってくれるのは涙が出るほどうれしいね」と感激し、勝利を願った。

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