馬毛島・自衛隊基地整備 作業員ピークに遅れか、防衛省が示唆 西之表市などに説明

協議後、報道陣の取材に応じる八板俊輔市長=12日、西之表市役所

 協議後、報道陣の取材に応じる八板俊輔市長=12日、西之表市役所

馬毛島の位置を地図で確認する

 馬毛島の位置を地図で確認する

 鹿児島県西之表市馬毛島の自衛隊基地整備について、防衛省は12日、最大6000人規模とする工事関係者のピークが当初見込みの来年2月ごろから遅れる可能性を示唆した。同日あった市との協議後、原田道明九州協力調整官は「建設業界の人手不足やインフラ未整備の離島という特殊な施工条件」が背景にあると説明。新たなピーク予測は明言を避けた。
 協議では、地元負担の軽減に向けた同省の取り組み状況などが報告された。
 8月末時点で種子島に滞在する工事関係者は、宿泊施設160人(4月150人)、賃貸物件300人(同280人)、仮設宿舎520人(同200人)。同省は「宿泊施設と賃貸物件の使用は4月と比べてほぼ横ばいで、(地元への)影響を最小限にとどめている」との認識を示した。一方、馬毛島で整備を進めている3000室超の仮設宿舎は、10月ごろまでの確保が約570室にとどまる見通し。
 このほか、交通安全対策として西之表市16カ所(計17人)、中種子町1カ所(1人)に誘導員を配置していることを明らかにした。
 防衛省の取り組みについて、八板俊輔市長は「十分でないところはその都度連絡し、対策を取ってもらっている。今のところはできていると思う」と述べた。
 同日は中種子、南種子両町、鹿児島県にも報告があった。県は「住民の安心・安全の確保に必要な対策や環境保全措置、速やかな情報提供を引き続き要請した」としている。

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