鹿児島銀行が5%超賃上げへ 8年ぶりベースアップ実施 報酬体系も改定、4月から 初任給引き上げも検討

賃上げ方針や人事制度改定について会見する松山澄寛頭取=9日、鹿児島市の鹿児島銀行本店

 賃上げ方針や人事制度改定について会見する松山澄寛頭取=9日、鹿児島市の鹿児島銀行本店

 鹿児島銀行(松山澄寛頭取)は9日、基本給を一律で底上げするベースアップ(ベア)を8年ぶりに実施し、定期昇給などと併せて5%以上の賃上げを目指す方針を発表した。報酬体系の見直しといった人事制度改定とともに、4月1日から実施の予定。
 ベアは2015年に3%引き上げて以来。物価上昇への対応や人材確保などが狙いで、初任給の引き上げも検討する。同じ九州フィナンシャルグループ(熊本市)傘下の肥後銀行が5.2%以上の賃上げを表明しており、足並みをそろえた。
 引き上げ幅は労働組合との交渉を経て確定する。対象は行員約2200人やパート従業員と、グループ会社・友好会社を含めて計約3000人に上る。
 15年ぶりの人事制度改定では、総合職内に特定の業務に特化した専門キャリアコースを新設する。ほか、事務専門や高度な専門業務を担うコースも設ける。勤務地を通勤可能な範囲に限る「エリア限定」を選択できるようにする。
 従業員のモチベーション向上へ年齢給を廃止し、能力と職務の組み合わせで給与が決まる報酬体系に改める。評価制度では、目標達成や成果に至るまでのプロセスも対象にする。
 鹿児島市の本店で会見した松山頭取は「次世代の人材育成に力点を置いた。若手のキャリアや価値観を大事にした給与体系にしていく」と述べた。
■松山頭取、10カ月ぶり会見「入院していた」
 鹿児島銀行の松山澄寛頭取は9日、昨年4月以来、約10カ月ぶりに定例会見に姿を見せ、病気で一時入院していたことを明らかにした。
 4カ月入院したという松山頭取は車いす姿で会見に臨み、体調について「だいぶ良くなった。4月ごろにはゴルフができるのではないか」と語った。

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