NHK大河「篤姫」のロケ地「宮路邸」が武家屋敷ホテルに 明治37年建造、母屋を歴史感じる高級客室に再生 出水麓

2022/05/30

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ベンガラの赤茶色の壁が映える客室=出水市麓町の宮路邸

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 鹿児島県出水市の国の重要伝統的建造物群保存地区・出水麓武家屋敷群で最大規模の「宮路邸」が、歴史を感じながらゆったり過ごせる高級宿泊施設に生まれ変わった。市は2020年に麓地区活性化のため土地利用規制を緩和しており、初の宿泊施設となる。公募で決まった民間の運営事業者が改装し、6月30日に開業する。
 宮路邸は、17年に県外に住む所有者が市に寄贈した。棟札から1904(明治37)年に建てられたとみられ、母屋は一部2階建てで延べ床面積256平方メートル。白壁の蔵と、畑だった土地も現存する。NHK大河ドラマ「篤姫」のロケ地にもなった。
 古民家再生を軸に地域振興を手がける会社「いづる」(出水市)が、武家屋敷ホテル「RITA 出水麓 宮路邸」として営業する。母屋を75~99平方メートルの3室(各定員大人4人)に区画。かまどや井戸、いろりが残る部屋、縁側や隠れ家のような2階の寝室から枯れ山水の庭を眺められる部屋、赤茶色のベンガラ壁が美しい部屋を用意した。
 市から4000万円の補助も受け、傷んでいた床などを中心に改修し、各部屋にバス、トイレを設置。蔵に保管されていた長持ち、たんすといった調度品、県内芸術家の作品も飾る。
 朝食は仕出しで提供する一方、夕食は近くの本町商店街などの店を案内する。広報担当の小野由貴さんは「宿を起点に街中を回遊してほしい。地元保存会とも連携し、出水の魅力を味わえる宿泊プランも考えたい」と話している。予約は楽天トラベルで受け付けている。

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