2020農業産出額 鹿児島は4772億円で全国2位 品目別「茶」も静岡に抜かれ2位

2021/12/25 11:04

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錦江町の台地に広がる茶畑

 農林水産省は24日、2020年農業産出額を公表した。鹿児島県は総額4772億円で、全体の2割以上を占める肉用牛の減少が響き前年比2.4%減だったものの、4年連続で北海道に次ぐ2位を維持した。品目別では、19年に初めて僅差で1位となった茶は198億円で、静岡県の203億円に及ばず2位に後退した。
 部門別では、65%を占める畜産が3.1%減の3120億円で、北海道に次ぐ2位だった。新型コロナウイルス下で外食需要が落ち込み、肉用牛は9.9%減の1151億円。品目別の1位はキープした。内食需要の伸びや農家の規模拡大により、豚は856億円(品目別1位)、ブロイラーは699億円(同2位)でともに微増した。
 耕種は1582億円で0.6%増えた。バレイショが、干ばつで主産地・北海道の生産が落ち込み単価が高かったことなどから43.5%増の165億円、天候に恵まれサトウキビが6.4%増の116億円と全体を押し上げた。
 「茶(生葉)」と「荒茶」を合わせた県産茶の総販売額は21.4%減の198億円にとどまった。新型コロナの影響で価格が伸びず、値崩れを避けるために夏場の収穫を控えたためとみられる。サツマイモは、県内で被害が拡大する基腐(もとぐされ)病の影響で10.8%減の140億円だった。
 農家の手取りに当たる生産農業所得は4.5%減の1415億円で、昨年の2位から4位に下がった。農業産出額に占める生産農業所得の割合は0.6ポイント減の29.7%で全都道府県の中で最も低かった。
 全国の総産出額は前年比0.4%増の8兆9333億円。都道府県別1位は北海道の1兆2667億円。3位茨城県4411億円、4位千葉県3852億円と続き、5位は熊本県が3407億円で前年より一つ順位を上げた。
 ■「稼ぐ力」引き出す
 塩田康一・鹿児島県知事の話 4年連続で全国2位の産出額を堅持できた。「人づくり・地域づくりの強化」「生産・加工体制の強化、付加価値の向上」「販路・輸出拡大」を3本柱に「稼ぐ力」を引き出す。サツマイモ基腐病対策は万全を期していく。

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