「商店街復興の足掛かりに…」 米兵がいる街、日常風景に 鹿屋で無人偵察機運用始まる

米兵らを歓迎するポスターを掲げる小売店=21日、鹿屋市北田町

 米兵らを歓迎するポスターを掲げる小売店=21日、鹿屋市北田町

米軍関係者とみられる外国人の姿が日常になった鹿屋市街地(画像は一部加工してあります)=21日、同市向江町

 米軍関係者とみられる外国人の姿が日常になった鹿屋市街地(画像は一部加工してあります)=21日、同市向江町

 海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿児島県鹿屋市)で米軍無人機MQ9の運用が始まった21日、市民から「実感がない」との声が上がった一方、駐留米兵らによる商店街活性化の期待や、「戦争につながる」と懸念する意見が聞かれた。米軍関係者の姿が日常風景になりつつある中、向き合い方には温度差がある。
 同日昼過ぎ、米軍関係者とみられる男性2人が、滞在先のホテル近くのスーパーに談笑しながら入っていった。買い物中だった同市西祓川町の主婦比良怜果さん(29)は運用開始を知らなかったという。「子どもと公園で遊ぶ時、基地の航空機の音が聞こえて怖い。でも米軍がいる実感はあまりない」と話した。
 米兵らがよく訪れるコンビニで働く女性(60)は「おはよう、と日本語で返事してくれる。今のところ好印象」。ただ、今月18日に起きた米兵の車と高校生のミニバイクの事故を挙げ、「今後米軍が絡む事件事故が起こった時、米側が誠実に対応するのか気になる」と案じた。
 運用開始の21日、基地周辺で米軍への反対活動は見られなかった。長年携わる同市旭原町の松下徳二さん(84)は「高齢化も進み、反対活動の規模は年々小さくなっている」と嘆く。「中国も軍事活動を活発化させており、いずれ日中が衝突するのではないか。反戦運動を続けなければ」と訴えた。
 「商店街復興への足がかりになる」。市商店街連合会の前田数郎会長(64)は期待する。その上で「市民も不安だが、米軍関係者も鹿屋でどう反応を受けるのか不安だと思う」と寄り添った。

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